米国の中東でのプレゼンスが低下しつつある中、中国の動きが注目を集めている。中国の習近平国家主席は今年1月19日から23日まで、サウジアラビア、エジプト、イランの3カ国を歴訪した。習主席の中東訪問は就任以来初めてだ。原油暴落による中東産油国の財政悪化に加えてサウジとイランの対立が先鋭化する中、中国の存在感を示す絶好の機会となった。
習主席はサウジ、エジプトおよびイランの首脳と、それぞれ工業やインフラ建設、エネルギー分野などで協力する戦略的パートナーシップ関係を強化することで一致した。そして習主席は1月21日、カイロにあるアラブ連盟の本部で演説し、その加盟国に対し工業化促進に150億ドル、商業分野に100億ドル、ほかの優遇金利融資100億ドル、計350億ドルの融資を約束し、さらにアラブ首長国連邦(UAE)やカタールと協力し200億ドルの投資基金を創設するなどと表明した。財政難への対応や石油依存脱却のための製造業振興といった中東産油国のニーズに、中国の動きはマッチしているといえる。
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