有料会員限定

団塊以降の世代から 本当の老後危機は

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16
拡大
縮小
年をとっても、なかなか「高齢者」と言われなくなる?

特集「下流老人」の他の記事を読む

75歳からが高齢者──。そんな時代が来るかもしれない。世界的に高齢者といえば65歳以上。しかし、少子高齢化が世界一のスピードで進む日本では、このままだと社会保障の仕組みが追いつかなくなり、高齢者を「減少」させて帳尻を合わせるおそれがある。年金や介護の支給対象者が少なくなれば、既存の制度を継続できるからだ。

2020年が転機になる

出生数の急減で年金、介護制度への危機感が高まる中、団塊世代が後期高齢者(75歳以上)に近づく2020年ごろになると、社会保障の抜本的な見直し議論が待ったなしとなる。20年に本格的な議論が始まれば5年程度で結論が出るだろうから、25年前後には高齢者年齢の引き上げが実現する。そうなれば現在55歳の世代が65歳を迎えても、高齢者の扱いを受けなくなる。

現在の介護保険制度では65歳からサービスを受けられるが、「まだ10年先ですよ」となりかねない。米国並みに、定年制が年齢差別として撤廃される可能性もある。ちなみに介護保険サービスの利用者のうち、75歳までの前期高齢者はわずか13%。この年齢までは元気老人が大半であることも、高齢者年齢の引き上げの根拠となる。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内