「60歳になると応募できる求人は50代の3分の1に激減しますね」 そうぼやくのは今年2月に商社を退職したHさん(62)。2年前に一度定年退職してから別の会社に転職。65歳までは継続勤務可能だったが、処遇に不満があったため再度退職を決意した。現在は経理・総務の管理職を希望して求職中だ。半年で50社応募して書類選考を通過したのは10社。3社から内定を得たものの、いずれも給与面の条件が悪すぎて折り合いがつかず、辞退したという。
今年6月の有効求人倍率は、1.19倍と高水準を維持。全国のハローワーク(以下、ハロワ)登録求人数は7月末現在で約100万件にも上り、リーマンショック後の2009年7月の28万件と比べると、実に3倍超まで激増している。
空前の売り手市場に見えるが、実は100万件のうち正社員は半数弱の47万件にすぎない。そのうえ職種を「事務的職業」に絞っただけで、求人数は4万9000件まで減ってしまう。つまり100件ある求人のうち「事務職の正社員」は約5件しかなく、その中でシニアが勝ち残るのは決して容易ではない。
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