富士フイルムホールディングス社長・CEO 古森重隆--明日への投資に10%の利益率は必要

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 この10年間で会社は大きく変わり、世界情勢も複雑化した。後継者については考えているが、よっぽどの人材でないと駄目だ。社長という職業は厳しい。社長以上に会社のことを考える者はいないから、いつも独りぼっちだ。

全体像がグレーな段階でも、100判断すれば100正解しなければならない。僕の下には(何かが起こった)早い段階で報告が来るが、その情報は意図的に一部が隠されている。それでも次に起こることを予測し、対応を決め、断固として実行しなければならない。後ろには7万8000人(10年9月末時点)の社員と、その家族がいる。

富士フイルムには世界で戦える力がある。同規模の会社とは比較にならないほど保有している多様な技術を融合すれば、さまざまなブレイクスルーが可能だ。

若手社員も役員も、もっと自信を持ってガツガツしてもらいたい。韓国、中国企業の台頭は著しいが、燃えたぎる気持ちで前進すれば必ず勝っていける。

(週刊東洋経済2010年12月18日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

こもり・しげたか
東京大学経済学部卒業。1963年、富士写真フイルム(現富士フイルムHD)入社。2000年に社長、03年社長・CEOに就任。前NHK経営委員会委員長。

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