さらに詳しいデータは『就職四季報』に記載しているが、3年後離職率を見るときに注意してほしいのは入社人数が少ない場合、数値が大きくブレてしまう点だ。たとえば、入社3人しかいなければ1人辞めるだけで、3割を超えてしまう。前年度の数値も見ることで、数値のブレをはじくことができるはずだ。ちなみに、2年連続0%は48社だ。
一方で、「NA」(NoAnswerの略で非公開の意味)の会社もある。理由はさまざまだが、数値がよければ積極的に公開するはずではと考えるのが一般的。つまり、離職率が高い可能性がある。
ただ、実のところ3年後離職率については数パーセントの違いに神経質になる必要はなく、他の指標も含めて比較することが重要だ。また、ここではご紹介しなかったが、ランキング下位を見ると小売業や外食がズラリと並ぶ。厚労省調査では「宿泊業、飲食サービス業」が52.3%、小売業で39.3%だ。だからといってこれらの業界を「ブラック」と決めつけるのは筋違いだ。明確な基準があるわけでもないし、3年後離職率が低い会社も存在する。
企業研究で大事なのは、業種ごとの特徴や傾向を見極め、様々な基準で会社を比較することだ。『就職四季報』には3年後離職率だけでなく、試験情報、採用実績など人事には直接聞けない最新情報を集約。あなたにとっての「良い会社」を見つけていただきたい。
(※) 東京急行電鉄は総合職のみの数値、中部電力は高専・専門・短大は除いた数値。2010年入社の3年後離職率「-」は新卒採用なし、NAは非回答
(12/17追記)1位のJTは同社による再調査の結果、3年後離職率が0.5%、2011年入社者204人であることが判明。この結果、JTは114位となり、2位の日産自動車以下、107位の日清製粉グループ本社ほか7社まで順位が1位ずつ繰り上がります。
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