日経平均は、どこで下げ止まるか ダウ268ドル安、為替は一時1ドル117円台
日経平均株価は1万8000円台を回復したのも束の間、急落している。今週に入ってから軟調な動きを見せていたが、12月10日の水曜日には、日経平均は前日比400円の下げを演じ、1万7500円を割り込む展開となった。10日のNYダウも268ドル安の1万7533ドルと続落。株価は、どの水準で下げ止まるだろうか。
夢から醒めれば・・割高な水準だった日経平均
まず、大幅下落の背景から探って行こう。10日の日本株急落の原因となった、9日の米国市場の下落について、次の2つの要因が挙げられている。
①中国が、9日にレポ取引(債券を担保とした金銭貸借取引)について、格付けの低い債券を担保として認めない方針を発表した。このため低格付け債を中心に社債が売り込まれ、それが株価にも影響した(同日の上海総合株価指数は、前日比で5.4%も急落)。
②ギリシャで、9日に当初予定されていた時期よりも、議会の解散総選挙の可能性が高まった。もし選挙となれば、財政緊縮に反対する野党の勝利が見込まれることから、同日のギリシャ株式指数が前日比で13%もの下げとなった。
① については、上海株が大きく下げ始めたのは前述の通り9日で、その時点では日経平均の下げは大きくはなかった。逆に日経平均が大幅に下落した10日は、上海総合指数は上昇している。中国の動向を日本株下落の理由とするのは、腑に落ちない。
② のギリシャについても、同国の株価の下落は大幅だったが、通貨ユーロは対米ドルでは堅調な動きだった。欧州全般に懸念が広がった、という感じは薄い。
では、国内株価の下落がなぜ起こったかと言えば、もともと最近までの株価上昇が「実力以上」で買われ過ぎていたからだ。そのスピード調整という形での株価下落が、放っておいても生じようとしていたところに、「調整に都合の良い売り材料」が飛び出した、ということなのだろう。
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