セブン、「免税コンビニ1号店」に透ける深謀 ローソン、ファミマが様子見の中で先行出店

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免税サービス参入へ背中を押したのが、今年10月に行われた消費税の免税対象品の拡大だ。これまで対象品は家電や衣服などに限られていたが、食品や化粧品、薬品といった消耗品も加わった。さらに消耗品ついては、免税が適用される購入価格も低く設定されている。家電や衣服は合計1万円以上が対象となるところ、消耗品は5000円以上であれば免税されるのだ。

免税対象拡大でコンビニにも商機

日本政府観光局などのまとめによると、2013年に日本を訪れた外国人観光客は1040万人弱。2003年の520万人と比べると倍近くに増えており、1人当たりの消費額も増加傾向にある。実際、免税サービスで先行している百貨店業界では、外国人観光客を対象にした月次の売上高が、前年同月を上回る状態がここ20カ月以上続いている。

一方、コンビニ1店当たりの客数は、国内人口の減少と店舗数の増加により減少傾向にある。これに歯止めをかけたいのは各社共通の思い。外国人観光客が購入する物品の上位は菓子や飲料といったコンビニでも扱う商材が占めるという調査結果があり、外国人観光客という新たな客層の開拓が順調に進めば、コンビニにとって大きな商機となりえる。

ただ、ライバル各社は「選択肢の1つとして検討中」(ローソン)、「現状では参入を考えていない」(ファミリーマート)と、様子見の姿勢。1店舗ごとに免税サービスの許可を取らなければならないという手続きの煩雑さや、接客サービスが複雑化することが、導入のネックとなっているようだ。

では、競合が尻込みする中、なぜセブンは先駆けて免税サービスを始めたのか。セブン&アイグループでは、すでにイトーヨーカ堂やそごう・西武で免税対応を行っており、ノウハウがあるというのも理由の1つだが、それだけではなさそうだ。

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