YouTuber、意外と知られてない稼ぎ方のカラクリ 過去に比べてプロジェクトは大規模化している

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YouTuberの増加と発展につれ、多くの不文律が生まれます。「誰かがスタッフとして裏にいる感じは消す」「サムネイルとタイトルの雰囲気は統一する」などがその例ですが、最重要項目としてはチャンネルとしての軸、つまりブランディングがぶれないように設定することが挙げられるでしょう。近年ではコロナ禍の影響で、芸能人が多く参入してきましたが、これらの「不文律」の基本は変わりません。芸能人の参入によって生まれた変化を強いて言えば、芸能人はトークのクオリティーが高いため、既存のYouTuberにさらなる企画力が求められていること、でしょうか。

ブランド化とファン層の変化

多くのYouTuberは、アドセンスを収益のメインとしています。アメリカと比較したら安くはあるのですが、日本は広告料が比較的高めの国で、近年その額はさらに高くなっています。動画の尺・視聴時間の双方が伸びたことがその要因です。昔は5分ほどの動画が主流でしたが、現在では30~40分あって当たり前となり、合わせて広告料も高くなってきているのです。その金額は再生数1回あたり0.3~0.8円ほど。月100万円くらいの売り上げであれば、チャンネル登録者10万人未満でも達成できます。

加えて、YouTuberはグッズ関連でも収益を上げています。Tシャツ・パーカー・タオルなどファングッズの王道といえるものを販売するYouTuberは多いです。もともと営んでいるビジネスに関連したYouTubeを始めて、そこから稼ぐケースもあります。

近年で特徴的なのは、アパレルブランドを持つなど、個人がブランドオーナとなるケース。P2C(Person to Consumer)と呼ばれているビジネスモデルです。自分が広告塔になり、物品やノウハウの販売をしています。

うまくいっているP2Cブランドとしては、ヒカルの「ReZARD」やコムドットの「Birdog」が挙げられるでしょう。

Birdogのインスタグラムアカウントのフォロワーは35万人を超えています。また、先日発売したREVIVAL STADIUM-JUMPERは7万7000円と高額でしたが、発売と同時に即完売となりました。

これらのブランドの服は、YouTuber同士で贈り合うなど、さりげなく動画内で着用されていることが多いです。大げさにアピールするわけでもなく、また視聴者も騒ぎ立てるわけではありません。P2Cブランドの服を誰が着ているかが、実は視聴者から静かにチェックされています。

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