ウクライナ危機、鉄道が支える「避難と物資輸送」 欧州各国、避難民輸送に「運賃無料」や車両提供

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ウクライナからポーランドの国境の街に到着し列車を降りる避難者たち(撮影:橋爪智之)
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ロシアによる侵攻が続き、ウクライナ情勢は悪化の一途を辿っている。女性や子供、老人を中心とした多くのウクライナ国民が避難を余儀なくされる中、ヨーロッパを中心に多くの国が支援に乗り出しているのはすでによく知られていることだろう。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナ国外に逃れた避難者の数は、3月19日時点で約339万人に達しているという。

その避難の多くに、鉄道が使われていることをご存じだろうか。当然だが、戦時中に航空機を使って避難するのは初期段階を除いてほぼ不可能で、バスや自動車などではキャパシティの面で問題がある。多くの避難者を速やかに効率よく輸送する手段として、最も適しているのが鉄道だ。

250万人の避難民を輸送

ウクライナ鉄道(UZ)は、2月24日にロシアがウクライナへ侵攻して以来、250万人以上の避難者を鉄道で輸送した。UZはウクライナ全土で避難のための臨時列車を運行し、今も近隣のポーランド、スロヴァキア、ハンガリー、ルーマニアとの国境まで避難民を輸送し続けている。

3月15日には、ポーランドのモラヴィエツキ首相およびカチンスキ副首相、チェコ共和国のフィアラ首相、スロヴェニアのヤンサ首相ら、欧州の代表団がウクライナのゼレンスキー大統領を訪問する際にも、プシェミシルからキーウ(キエフ)まで鉄道を使って移動した。

一方、ウクライナ全土の各都市では、今も可能な限り都市近郊の列車運行を継続している。また、人々の移動だけではなく援助物資の輸送にも鉄道が利用され、非常時ながら6000t以上の支援品が貨物列車で運ばれた。戦時下において、鉄道は重要な輸送手段となっている。

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