ブレント原油は今年、欧州での戦争による供給ショックと同時に新型コロナウイルス禍後の根強い旅行需要を背景に、1バレル=150ドルに達する可能性が高いとベテラン商品トレーダーのダグ・キング氏は予想した。
マーチャント・コモディティー・ファンド(運用資産4億2500万ドル=約515億円)を率いるキング氏は、世界には原油増産の選択肢がほとんどなく、消費が脅威にさらされている兆候もほぼ見られないと指摘した。同ファンドは今年1-2月にリターンがプラス28%だった。
キング氏は3月18日のインタビューで、「ジェット燃料の需要は戻り、旅行は回復するだろう」と予想。「人々はお金を持っており、それを使うつもりだ。今の価格で需要が崩壊するとは思わない」と述べた。
ロシアによるウクライナ侵攻前から既に原油価格は高騰していた。コロナ禍からの需要回復に供給が追いついていなかったためだ。その後、主要産油国の一角であるロシアに対する金融制裁などで国際指標のブレント原油先物は3月初旬に一時140ドルに迫る展開となったが、現在は115ドル付近に値を戻している。
キング氏は、機会があればすぐにでも旅行を始めたい人々がおり、欧州での戦争による供給減少は需要崩壊よりも大きな要素になる可能性が高いと指摘。ブレント原油の下限は現在100ドル程度だとの見方を示した。
マーチャント・ファンドは2021年のリターンがプラス74%。キング氏は昨年の資源ブームで巨額の利益を得たピエール・アンデュラン氏らと並び運用成績好調なヘッジファンドマネジャーに名を連ねた。
ブルームバーグ商品スポット指数は今年すでに26%上昇している。キング氏はサプライチェーンが全般にまだ「間違いなくストレスを受けた状態にある」ことから、商品相場にチャンスは多く、相場は上向きに大きく傾いていると述べた。
原題:Oil Set for $150 on Supply Shock, Says Veteran Trader Doug King(抜粋)
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著者:Sybilla Gross
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