ロシアの侵攻から約1カ月、ウクライナ最新事情 ゼレンスキー氏、NATO首脳会議にオンライン参加へ
ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、日本の国会でオンライン形式の演説を行い、ロシアへの制裁の継続を訴えた。
バイデン米大統領はロシアが化学兵器を使用する可能性を警告。ロシアのプーチン大統領の特使はウクライナでの戦争に反対し辞任、同国を去った。
ドイツのショルツ首相は、制裁措置による深刻な打撃をロシアはまだ感じ始めたばかりだと述べ、今後さらなる措置が続くと語った。
ゼレンスキー大統領は、ロシアのウクライナ軍事侵攻について協議するため今週開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議にオンライン形式で参加する。NATO会議に参加するバイデン大統領は、ロシアに対する追加制裁を訪欧中に発表する。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
バイデン大統領、プーチン氏が化学兵器使用する恐れを警告
バイデン大統領は訪欧前にホワイトハウスで記者団に対し、プーチン大統領がウクライナで化学兵器を使用する可能性を懸念しているとし、「現実的な脅威だと考えている」と述べた。
ロシア中銀、MOEX指数33銘柄の24日取引再開を承認-空売りは禁止
ロシア中央銀行はモスクワ取引所で株式33銘柄の取引を24日に再開することを承認すると発表した。
同中銀によれば、取引が認められる銘柄はMOEX指数の構成銘柄で、取引時間は現地時間で午前9時50分から午後2時までとなる。空売りは禁止される。同日以外の取引については今後発表される見通しだ。
ロシア中銀、MOEX指数33銘柄の24日取引再開を承認-空売りは禁止
プーチン氏特使チュバイス氏が辞任しロシア去る、戦争反対で
ロシアで気候問題の大統領特使を務めるアナトリー・チュバイス氏が辞任し同国を去ったと、事情に詳しい関係者2人が明らかにした。プーチン大統領が始めたウクライナでの戦争への反対が理由だという。ウクライナ侵攻を巡りクレムリン(ロシア大統領府)との関係を絶ったロシア当局者の中では最も高位となる。
プーチン氏特使チュバイス氏が辞任しロシア去る、戦争反対で-関係者
ネスレ、ロシアでの生産停止へ-必需品に限定
食品最大手ネスレは、ロシアでの生産の大半を停止することを明らかにした。同国ではベビーフードや医療向け栄養食品などの必需品に限定して取り扱うという。
ロシアへの制裁継続を訴え、ウクライナ大統領がオンライン演説
ゼレンスキ―氏は、日本の援助に謝意を表明した上で、ロシアとの貿易禁止を求めた。国連安全保障理事会が機能していないとも指摘し、日本の指導者に積極的な役割を果たすよう要請した。アジアで初めてロシアに強い圧力をかけた点も評価した。
チェルノブイリ原子力発電所を戦場に変えたとロシアを批判。サリンなどの化学兵器を使った攻撃を準備しているという報告を受けたと説明した。
外国首脳が国会でオンライン演説を行うのは初めて。衆院第1議員会館の会議室に生中継され、岸田文雄首相らが出席した。演説はウクライナ語で行われ、日本語に同時通訳された。
ロシアへの制裁継続を訴え、ウクライナ大統領がオンライン演説 (1)
プーチン大統領、インドネシアで開催されるG20会合に出席の意向
ロシアのプーチン大統領はインドネシアで今年開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に引き続き出席する意向だ。ロシアのリュドミラ・ボロビエワ駐インドネシア大使が23日、ジャカルタでの記者会見で明らかにした。
プーチン大統領、インドネシアG20会合に出席の意向-ロシア大使 (1)
中国がロシア支援なら「結果」との米の警告、他のアジア諸国も懸念
バイデン米大統領が中国の習近平国家主席に対し、ロシアを支援した場合の「結果」について警告したことを受け、他のアジア諸国はロシアのウクライナ侵攻を巡り中立的な姿勢を維持すれば、同じような制裁の対象になるのではないかと懸念している。
中国がロシア支援なら「結果」との米の警告、他のアジア諸国も懸念
米下院議長、プーチン大統領は「既に失敗しつつある」
ペロシ米下院議長は、ウクライナに侵攻しているロシア軍部隊が「行き詰まっている」と指摘し、これはプーチン大統領が「既に失敗しつつある」ことを意味すると述べた。テキサス州オースティンのリンドン・B・ジョンソン大統領図書館で語った。
米原油先物上昇-アジア時間23日午前
米原油先物はEU首脳会議とNATO首脳会議を控え、アジア時間23日午前の取引で上昇し、1バレル=110ドルに近づいた。前日には若干下げていた。
英議員グループ、対ロシア追加制裁を呼び掛け
英議会の財務委員会は報告書で対ロシア制裁について、プーチン政権に打撃を及ぼし得ると分析した上で、英政府は推進すべきだと指摘した。
約10万人がなおマリウポリに-ウクライナ大統領
ゼレンスキー大統領はビデオを通じた国民向け演説で、港湾都市マリウポリにはなお10万人余りが取り残されており、食料や飲料、医薬品がない状況で継続的な砲撃にさらされていると指摘した。
ゼレンスキー大統領、NATO首脳会議に参加へ
ゼレンスキー大統領は24日に開かれるNATO首脳会議にオンライン経由で参加する。演説を行うとともに、協議にも「全面的に参加する」という。大統領の報道官がテレビで明らかにしたもので、ゼレンスキー氏は「民間人と民間インフラに対するロシアの犯罪」を終わらせる要求をあらためて表明する。
マリウポリから約6000人が退避
ウクライナ南東部の激戦地マリウポリからさらに6000人が人道回廊を使って自家用車で西方のザポロジエに退避した。ベレシチューク副首相が明らかにした。
仏ロ首脳が電話会談-ロシア大統領府
ロシアのプーチン大統領とフランスのマクロン大統領が電話会談を行い、ウクライナとロシアの代表団の協議の進行具合について話し合った。ロシア大統領府が明らかにした。
米国と同盟国、対ロシア追加制裁を発表へ
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はホワイトハウスで記者団に対し、バイデン大統領が24日に「パートナー国と共にロシアに対して追加制裁を科す。既存の制裁についても強化し、回避を防ぎ確実にしっかりと執行する」と発言した。
また「バイデン氏は欧州のエネルギー安全保障強化とロシア産ガス依存削減に関する共同行動計画を発表する」とコメント。ロシアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国にサイバー攻撃を行った場合、米国と同盟国は対抗措置を講じる可能性があるが、必ずしも軍事的な措置に限らないと述べた。
独首相、G20からのロシア除外を議論するのは時期尚早
ドイツのショルツ首相は20カ国・地域(G20)や世界貿易機関(WTO)からのロシア除外を議論するのは時期尚早との考えを示した。
仏トタルエナジーズとクレディAがロシア取引停止
フランスのトタルエナジーズはロシア産の原油とディーゼルの購入を年末まで停止すると発表した。同国の銀行大手クレディ・アグリコルはロシア国内での商業活動を全て停止した。
ウクライナ戦争、ロシアにとって壊滅的-前米国防長官
ロシアはウクライナ侵攻で主要な目的を何も達成できていないと、エスパー前米国防長官が主張した。
エスパー氏は22日にブルームバーグテレビジョンで、ロシア軍の装備が整っておらず、士気の低さが影響していることは明らかだと指摘。戦争が「ロシア人とロシア軍にとって壊滅的」な影響をこれまでに及ぼしているとし、苦戦を強いられたプーチン大統領が化学兵器を使うリスクが高まっているとの見解を示した。
ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定することについては、現時点では支持しないとしながらも、人道的な状況が悪化を続ければ米国は「道義的に行動を迫られる」可能性があると述べた。
ウクライナ大統領顧問、領土割譲は「全く議論の余地ない」
ゼレンスキー大統領の顧問を務めるアレクサンドル・ロドニャンスキー氏はブルームバーグテレビジョンに対し、領土の割譲については「全く議論の余地がない」としつつ、中立化に関する交渉は進展の可能性があると語った。
ロシアのプーチン大統領は交渉に十分真剣ではないと懸念を表明。ロシアがウクライナで化学兵器や大量破壊兵器を使用する場合には、「レッドライン」を引くよう世界に呼び掛けた。
ウクライナ、4回目の戦時国債発行で約250億円調達
ウクライナ政府は4回目となる戦時国債の入札を実施し、60億4000万フリブナ(約250億円)を調達した。
国連事務総長:戦闘でなく交渉すべき時だ
国連のグテレス事務総長は「いくつかの主要争点」で外交的な取り組みが進展しつつあると語った。
グテレス氏は「戦争行為を直ちに止めるための用意は十分にそろっている」と述べた上で、真剣な交渉に向けて複数の外交筋と接触を続けていると明らかにした。
ウクライナの食料インフラ破壊、世界に新たな飢餓-農業相
ウクライナのレシェンコ農業食料相はロシアの侵攻で重要なインフラが破壊されているとし、穀物や植物油、食肉の輸出ができなくなっているため食料不足や飢餓に苦しむ地域が世界で新たに生まれるだろうと警告した。
ミコライウの穀物輸出港が22日にロシア軍の爆撃を受けて破壊されたと同相は述べ、飢餓を意図的に広げようとしているとしてロシアを非難した。
ロシア、「偽情報」に刑罰科す新法の対象を拡大
ロシア下院は22日、外国での軍事作戦に関する「偽情報」に刑罰を科す法の適用範囲を拡大し、全ての国家当局の国際的な活動についても対象とすることを承認した。
ギリシャ外相、マリウポリ支援で現地同行を計画
ギリシャのデンディアス外相は22日、ロシア軍に包囲されたマリウポリに向けた人道支援物資の輸送を妨げないよう、ウクライナとロシアに要請した。同外相は赤十字国際委員会の総裁と連係し、輸送に同行する意向だと明らかにした。
ギリシャ政府の優先課題はマリウポリのギリシャ人社会と民間人の保護だとも語った。
ロシア人IT技術者、4月に最大10万人が出国も
4月にロシア人IT技術者7万-10万人が移住のため出国する可能性があると、ロシア電子通信協会の試算としてインタファクス通信が報じた。同協会によると、第一波として5万-7万人がすでに出国し、これに続く動きだという。
ロシアはIT技術者の流出を食い止めようと、税優遇や住宅ローンの補助、徴兵猶予などさまざまなインセンティブを策定している。
ゼレンスキー大統領、ローマ教皇に仲介依頼
ウクライナのゼレンスキー大統領はローマ教皇と会談し、「人道的に困難な状況と、支援のための回廊がロシア軍により封鎖されている」ことを話したと、ツイッターで明らかにした。
ロシア、ウクライナとの交渉は遅く内容薄い-大統領府
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ウクライナとの和平交渉は「期待したよりも進展が遅く内容が薄い」と述べた。
原題:Ukraine Update: Zelenskiy Will Join NATO Summit Via Video Link
Ukraine Update: Biden Warns on WMDs as Key Putin Adviser Quits
(抜粋)
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著者:Iain Rogers
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