ドーミーイン「夜鳴きそば」が誕生した意外な経緯 夜の時間帯に宿泊者に無料提供されるラーメン
しかも一人暮らしで面倒なのは自炊・掃除・宅配の再配達、不安なのは病気・治安・修理などだが、それらが解消されることで心身ともに健康的でモチベーションの高い毎日を過ごせる──あれ? これってまさにドーミーインのサービスがギュッと詰まっているではないか。
現在、「ドーミー」は全国に約500棟以上を展開。学生寮としても使用されており、実際に「住んでいる」人がこれだけの数いるわけで、ホテルを運営しているだけでは構築できないノウハウが蓄積されていくことがわかる。
「ドーミーインが始まった当初は、寮として使用しようと考えていた物件の転用がベースになっていたようです。それがほかのホテルとはちょっと違った部屋の間取りにつながっているんですね」
「ドーミー」を利用しているのは学生たち、また建築業界、IT業界、金融業界、サービス業界に勤務する社会人など多岐にわたるが、多くの人が「まるで実家に住んでいるような安心感をおぼえる」という感想を残している。これもまたドーミーインに宿泊しているときに感じる「このまま連泊したい」とか「いっそのこと住んでしまいたい」という思いに相通ずるものがある。
寮がルーツ、という異色のバックボーンは、新しいホテルの価値観を生み出す大きな理由のひとつになっていた。
夜鳴きそばの提供に込められたドーミーインの思い
ドーミーインならではのサービスとして定着している夜鳴きそば。夜遅めの時間帯に宿泊者に無料で振る舞われる温かいラーメンは、心と体に染みる味わいである。
「これは創業者のこだわりから生まれたサービスです。今やさまざまなお客さまにご利用いただくようになったドーミーインですが、もともとは出張するビジネスマンのためのホテルでした。仕事を終えてホテルに戻っても、部屋にこもったままおひとりで過ごすのが以前のパターンでした。そこで簡単なお夜食を提供することで、『部屋を出て、スタッフやそこに居合わせた人々と、ほんのひと時でも会話を楽しむきっかけになるのでは?』と私たちは考えたのです。
つまり、食事そのものというより、人と人とのふれあいの『場』の提供です。その夜食という提供シーンに合うメニューとして考えられたのが、万人に受け入れられるラーメン、すなわち『夜鳴きそば』でした。ドーミーインの夜鳴きそばの提供の裏には、そんな思いがあったのです」
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