中国南部のハイテク産業集積地、深圳市が導入したような広範囲にわたるロックダウンは、中国の国内総生産(GDP)の半分に影響を及ぼし、その打撃は国外に波及しかねない。
中国・深圳市が都市封鎖、新型コロナの新規感染急増で
深圳のロックダウンは同市が位置する広東省の経済に「直接の打撃」となると、ブルームバーグ・エコノミクスは分析。同省経済は中国GDPの11%を占め、金額にして1兆9600億ドル(約231兆円)に相当。スペインや韓国と肩を並べる。2021年の輸出額は7950億ドル相当と中国全体の23%を占め、どの省よりも規模が大きいことから、世界的な影響波及が示唆される。
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北東部の長春市は、中国の自動車年間生産の約11%を担う(2020年実績)産業都市だ。同市が属する人口2400万人の吉林省は先週すでにロックダウンに入り、トヨタ自動車は現地工場の稼働を一時停止せざるを得なくなった。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ銀行)のエコノミストによれば、中国のGDPと人口の半分が直近の新型コロナウイルス感染者急増で打撃を受ける見通し。
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ブルームバーグ・エコノミクスの14日付リポートは、「従来の感染抑制措置では、製造業はほぼ無傷だった」と指摘。深圳のロックダウンはハイテクや機械の生産を損ない、世界のサプライチェーンに影響が及ぶという。「消費と生産のダブルパンチに、国外への影響波及が加わり、今回のロックダウンによるリスクは高まっている」と分析した。
中国沿岸部や北東部の主要省が深圳に続いて1週間のロックダウンに入った場合、GDP成長率を0.8ポイント押し下げる可能性があるとANZ銀行の大中華圏チーフエコノミスト、楊宇霆氏はみている。
野村ホールディングスは感染者ゼロを目指す中国のアプローチが経済に負わせるコストは高いとして、今年の経済成長見通しについて市場参加者は楽観的過ぎるかもしれないと警戒を促した。野村はGDP成長率を4.3%と予想。エコノミストの予想コンセンサスである5.2%を大きく下回る。
原題:China Lockdowns Could Threaten Half of Economy, Pose World Risks(抜粋)
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著者:Bloomberg News
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