青山商事は利益7割減!紳士服大苦戦のワケ 団塊退職、就活後ろ倒し、消費増税が痛打

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一方、AOKIの場合、郊外から都市部へと、出店地域のシフトを加速している。さらに業態を多様化することで、紳士服の落ち込みをカバー。今や紳士服事業の売上構成比が6割超にとどまる一方、「アニヴェルセル」で有名な高級ウエディング施設やカラオケルーム、複合カフェなど、他業態を育成して稼いでいるのが実態だ。

特に好調なアニヴェルセルは、今年2月に約110億円を投じて、みなとみらい横浜で地上5階建ての大型施設を開業した。同社が持つ14施設の平均組単価は436万円に上り、全国平均を100万円近く上回るなど、競争力が高い。

紳士服チェーンはかつて20社近くが乱立していたが、現在はほぼ大手4社に絞られてきた。ライバルの百貨店や量販店が戦線縮小する中、確実にシェアを奪って大きくなってきた経緯があり、まだまだ“残存者利益”が見込めるとの見方もある。粗利益率が30%~50%のアパレル業界において、紳士服は60%程度と非常に高いのが特徴である。

3月期決算である紳士服業界は今期、消費増税後の反動減や就活時期の変更など、”不運“が重なったこともある。だが、はたしてこれは、一過性で終わるのか。本当の見極めはこれからだ。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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