スマートフォンが電子部品需要を牽引、村田、京セラの意外な活況

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電子部品の中でも格差

電子部品に対する風向きを変えたのは、何と言ってもスマートフォンの急速な普及である。こうした端末には、従来の携帯電話に比べて倍以上という、500個以上のセラミックコンデンサーをはじめ、高性能な部品が数多く搭載されている。成長が期待されるタブレットPCや3Dテレビも部品搭載点数は多い。これらデジタル機器の拡大が需要増加に直結しているというわけだ。

もっともすべての企業が恩恵を受けるわけではない。液晶関連向けの部品は調整局面が長引く可能性が高い。新興国市場で急拡大する低価格なデジタル機器の分野では、韓国勢ほか海外部品メーカーが存在感を増している。日本勢でも汎用的な部品を扱うメーカーは、より厳しい価格競争に巻き込まれる懸念がある。

ゴールドマン・サックス証券の高山大樹アナリストは「コンデンサーなどの受動部品は、スマートフォンなどの新製品拡大の恩恵を受ける。ただICパッケージなどは値下げ要請が強まるかもしれない」と、部品ごとに勢いの差が出ると分析する。追い風に乗って受注を取り込むことができるのは、高い技術力で最先端部品を開発する一部のメーカーに限られそうだ。

(梅咲恵司 =週刊東洋経済2010年11月13日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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