週明け28日の世界の金融市場では、アジアでの取引開始に当たり新興国通貨が売られてオーストラリア国債が上昇するなど、ロシアによるウクライナ軍事侵攻と西側諸国の対ロ制裁強化を受けた影響が一部顕在化している。
焦点はロシア・ルーブルのほか、対ユーロで上昇した避難通貨の米ドル、リスクセンチメントを反映する豪ドルなど。新興国通貨は影響波及が懸念され、南アフリカ・ランドやトルコ・リラなどが28日早い段階で下落した。豪10年債利回りは一時5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.18%となった。
大手格付け会社が25日に相次いで格下げや引き下げ方向での見直しを発表したロシアとウクライナの主要通貨建て債券に加え、石油や小麦、米国債、銀行株なども注目されそうだ。
BNYメロンの欧州・中東・アフリカ(EMEA)市場担当シニアストラテジスト、ジェフリー・ユー氏は「現在の環境下では、安全資産に引き続き買いが入る公算が大きい。為替について当社として、先週には円とスイス・フランの顕著なアウトパフォームがなかった点に留意している。このためわれわれは当面、米ドル需要を注視する」と話した。
米国と欧州の同盟国は26日、ロシア中央銀行に対する制裁措置に加え、国際銀行間通信協会(SWIFT)の国際決済ネットワークから同国の一部の銀行を排除することで合意したと発表し、制裁強化を打ち出した。
ユーロは対ドルで1%余り下げ、豪ドルは0.6%安。円は対米ドルで上昇した一方、政府系ファンド(SWF)からロシア資産排除のプロセスを開始したノルウェーのクローネは下落した。南アフリカ・ランドは2%強安の1ドル=15.5092ランド、トルコ・リラは1.5%余りの下げとなった。
原題:
Currencies Roiled as Russia Sanctions Ripple in Global Markets(抜粋)
(新たに相場動向を加えて更新します)
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著者:Ben Purvis、Natalia Kniazhevich
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