大学就職率ランキング<学部別、地域別>--就職率から教育力やキャリア支援を検証
関東や近畿では私大理系が強い
次に地域別を見てみよう。地域別で最も就職率が高かったのが中部で80・2%。次いで中国・四国の79%だった。これは昨年と同じ順位で、大企業の多い関東は72・9%、近畿は72・6%にとどまっている。
地域別にみると、それぞれ特色が出ている。私立大の数が国公立大に比べ圧倒的に多い関東や近畿では、文系より理系で私立大が強い。理系では関東の国公立大は4校、近畿でも9校しか出てこない。北海道・東北では23校も占めているのとは対照的な結果だ。
国公立大の強みは、私立大との学費差が広がる理系といわれている。それを考えると、関東や近畿では私立大の奮闘が目立つ。関東では東京理科大学の4学部がランキングに入るなど、理工系大学の就職率が高い。近畿では近畿大学、関西大学、立命館大学、関西学院大学など総合大学の理工系が強さを発揮している。
文系では旧7帝大といわれる北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学すべてがランキングに登場する。関東では一橋大学も3学部がランキングに入っており、難関大が就職でも強みを発揮している。
ちなみに、ランキングに登場しない早慶は、早稲田大学・政治経済学部83%、慶應義塾大学・理工学部84・5%が両大学中のトップだった。
就職が厳しいといわれながらも、実績を上げている大学・学部はたくさんある。上位を見ると、入試のときの難易度とは異なる結果になっている。これこそ、入学後の就職支援の差とみることもできるのではないだろうか。
(大学通信・取締役情報調査・編集部ゼネラルマネジャー 安田賢治)
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