12年新卒採用動向、量よりも質を重視する傾向が一段と--矢下茂雄・楽天みんなの就職事業長に聞く
現代はスピード化しているので、3~5年もすれば外国人新卒採用は珍しいことではなくなる。
今までは、日本への留学生から採用していたが、最近は海外の大学に学ぶ外国人学生を採用することが増えている。たとえば、北京大学を卒業した中国人学生をに日本企業が採用するのだ。スカイプを使用すれば、海外の外国人学生を面接することは簡単だ。
--日本人学生は優秀ではない、ということか?
優秀な学生はもちろんいる。しかし、ここ20年間で大学が増えて、以前ならば大学生になることができなかった者でも学生になれるようになった。
また、推薦やAO入試など通常のペーパー試験以外のテストで入学する者が増えた。私大文系トップの早稲田大学政経学部でさえ、推薦やAO入試、付属からの進学が多く、通常のペーパーテストをクリアして入学してくるのは半数に満たない。
中国や韓国の学生は、猛烈な受験を経て大学に入学する。こうした人たちと日本人が海外で戦えるのか、企業は疑問に思っている。
--2012年新卒の特徴は?
2010年新卒は就職で楽な思いをしている上級生を見ていたので、状況が厳しいにも関わらず、おっとりしていた。しかし、2012年新卒は就職でたいへんな思いをする上級生を見てきたので動きが早い。
今日このフォーラムに来ている学生は、夏休みに企業のインターンシップに参加した学生が多い。ということは、インターンシップン参加のためにエントリーシートを書くなど、実際の就活と同じようなことを経験済みだ。
昔はインターンシップは上位校の一部の学生のみが参加するものだったが、今ではインターンシップは当たり前。企業も採用活動の一環として考えている。今どき、インターンシップをしないのでは話にならない。
就職戦線は厳しいが、意識の高い学生は内定を取れる。