前田容疑者がFDを改ざんしたのは公判の紛糾を避けるため--伊藤鉄男・最高検次席検事
前田容疑者の逮捕前から「前田容疑者が遊んでいるうちにうっかり変えてしまった」という報道がなされていたことについては、「前田容疑者が逮捕されてからそういう話は聞いていない」(伊藤次席検事)と断言した。
前田容疑者がいつから更新日時の変更をしていたのかは会見で明らかにされなかった。更新日時を改ざんできる高機能ファイル管理ソフトを搭載した私物のパソコンを日常的に庁内に持ちこんでいたのであれば、他の事件で改ざんがなかったのか。伊藤次席検事は「我々は承知していないが、科学的に改ざんと分かるものがあったり、告発があれば検証していく」とした。
このほか、6人の検事が取り調べメモを破棄したことについては、「証拠隠滅にはならないと思う。『容疑者が被疑者ノートをつけている一方で検察がメモを出さないと不利になりますよ、損ですよ』と裁判所に言われたという話」と解説していた。「どの時点でねじ曲がったのか」との問いには、「証拠物を中心に進めていけばこんなことにはならなかったのかな。供述によりかかりすぎた」と感想を述べた。
「前田容疑者関連の捜査はこれで終わるのか」との質問には、伊藤次席検事は「足利の冤罪事件では10カ月くらいかけたが、そんなにはかけられない。主要の問題を洗い出し、改善策を打ち出していく。法務局の検討チームにお任せできることはお任せし、一方で検察庁としてできることは来年早々にもやっていきたい」とした。
(山田雄一郎=東洋経済オンライン)
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