ついに資生堂も本格参戦、熱気を帯びる“3ケタ”化粧品
「安易に低価格品市場には参入しない」。そう公言してきた国内化粧品の雄、資生堂がついに重い腰を上げた。
9月中旬、「専科 保湿クリームからつくった化粧水」を発売。市場想定価格は980円だが、ドラッグストアでは2~3割引きで売られる可能性が高い。パッケージはシンプルで商品名も機能性のみを訴えたのが特徴。同社では珍しく「詰め替え用」を投入するなど、従来の高級路線とは一線を画する。
背中を押したのは、止まらない化粧品の低価格化だ。リーマンショック後、ドラッグストアを1000円未満の“3ケタ”化粧品が席巻。草分けのロート製薬「肌研(ハダラボ)」の化粧水は、ドラッグストアで4年連続売り上げ1位を独走している。資生堂は従来、2000円以上の商品を得意としてきたが、格安品への流出が進む中、新商品投入に踏み切った。
もっとも、低価格品は粗利が薄く、国内単独展開では大きな収益貢献は見込みにくい。そこで、資生堂は年内の台湾での発売を皮切りに、2011年以降アジア各国に販売地域を拡大。生産も当初は日本で行うが、4月に本格稼働したベトナム工場移管も視野に、コスト圧縮を図る。
国内では8月から9月にかけて、コーセーとカネボウ化粧品が相次ぎ低価格ブランドを発売。大手の巻き返しはいかに。
(島田知穂 =週刊東洋経済2010年10月9日号)
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