ドラマ「鉄オタ道子」、制作者が明かす企画のツボ なぜ女性?なぜ秘境駅?プロデューサーを直撃
テレビ東京系で放送されているドラマ「鉄オタ道子、2万キロ」をご存じだろうか。女優の玉城ティナさんが演じる鉄道オタクの主人公・大兼久道子が、北海道から鹿児島県までのさまざまな地方の駅に降り立ち、そこで出会った人たちとの交流を描くというストーリーだ。
道子が降り立つ駅は主に秘境駅。これまでに、年間の利用者が100人に満たない野岩鉄道・男鹿高原駅や、圧倒的な本数の少なさの幻の駅只見線・早戸駅などが舞台となっている。また、各話では撮り鉄や音鉄男子から中学受験を控えた鉄オタ少女に至るまで様々なジャンルの鉄オタが登場し、ディープな鉄道趣味の世界がさりげなく表現されている点も魅力の1つである。
本放送終了後には、スピンオフ作品「鉄オタのぞみ、50キロ」がネット配信限定で公開され、こちらは久保乃々花さんが鉄オタ女子のぞみを演じる。のぞみは雑誌「旅と鉄道」の編集者で六角精児さんが演じる黒羽編集長の部下という役どころだ。
「鉄オタ道子、2万キロ」のドラマ企画はどのように立ち上がり、そして制作されたのか。秘境駅でのロケにはどのような苦労があったのか。番組を担当するテレビ東京の村田充範プロデューサーに聞いた。
なぜ鉄オタ女子が主人公なのか
――鉄オタ女子が主人公となるドラマは初めてのように感じられますが、どういう過程で企画が立ち上がったのですか。
コロナ禍で旅行ができない息苦しさを感じている人が多いと感じ、旅モノを企画したいと思いました。
その中で、鉄道をテーマとした理由は、旅情が「移動」に宿る、という考えと、鉄道をテーマにしたバラエティはあるのにドラマはないと感じたためです。
女性を主人公にした理由ですが、好きなものを追求する「オタク」を肯定的に捉えるよう変容しつつある世の中を反映した作品にしたいと思い、あえてギャップのある女性にしました。また、放送が週終わりの金曜日の深夜ということで、疲れたサラリーマンが癒やしを得られるようにというのも女性を主人公にした理由の1つです。
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