ドラマ「鉄オタ道子」、制作者が明かす企画のツボ なぜ女性?なぜ秘境駅?プロデューサーを直撃

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――オタクに肯定的なんですね。

オタクに対する捉え方が時代と共に変わってきている中で、意外性のある女性主人公が「これが好きで何が悪いのか!」という姿を描いています。

――なぜ玉城ティナさんを主演にキャスティングしたのですか。

一番の理由は一般的にイメージをされているオタク像とはギャップがあるためです。主人公の道子というキャラクターは自分の好きなものに対してまっすぐで芯がある女性として描いているので、ふわふわしている人よりもイメージに近いと考えました。

また、意外性を演出したかったということも理由の1つです。鉄オタというイメージと遠い女性の主人公が全力で鉄道趣味を楽しむというストーリーを作ることで、ドラマ作りとしてのキャラクター造形で計算外の面白さを生み出せるのではないかという考えもありました。

玉城ティナさんのキャスティングについては、SNSなどで「役に合っている」という反響をいただいており、ギャップのある人をキャスティングすることで、逆説的なリアリティを演出することができているのではないかと感じています。また、若い女性の方や主婦の方にも楽しんでいただいているようです。

リアリティを大事にしたい

――ゲスト出演される撮り鉄や音鉄など、鉄オタのディープな面にもさりげなく触れている点はさすがだと思いました。

「リアリティを大事にしたい」というスローガンをスタッフ全員で共有して、いろいろな鉄オタの人に話を聞いて事前の情報収集を綿密に行いました。エンドクレジットに鉄道監修として出ているホリプロの南田裕介さん、「秘境駅」という言葉を広めたライターの牛山隆信さん、横見浩彦さんの他、テレビ東京社内で鉄道に詳しい人からもお話を伺いました。

その結果、撮り鉄や音鉄の人がどういった視点で鉄道を見ているのか、どこの駅が萌えるのか、などといったリアルな情報をたくさん集めることができ、こうしたリアルな鉄オタの方々の生の情報を結集してドラマ作りを行いました。

例えば、第3話の大井川鐡道の回では、横見さんから3時間お話を伺いました。第3話の冒頭で道子が、大井川鐡道井川線について、ダム建設のための専用鉄道として建設された経緯から車両限界はかなり小さいものとなっていることなどを語るシーンがあるのですが、これは横見さんのセリフをそのまま引用しています。

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