年配社員は「絶滅種」IBM"年齢差別"文書の中身 競争力強化へミレニアル世代との入れ替え指示

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さらに3つ目の電子メールは、明らかに年配女性をほのめかす「時代遅れのママさん従業員」という言葉を使い、「これは変えなければならない。彼女たちは、ソーシャルとかエンゲージメントというものがまるでわかっていない。デジタルネイティブでない人たち。われわれにとって本当の脅威だ」と書いている。

これまでに提出された裁判資料と今回新たに公開された文書はどちらも、IBMが2010年代にほぼ経験ゼロの従業員を約2万5000人採用しようとしていたと主張している。また、「その数に匹敵する非ミレニアル世代の年配従業員を解雇する必要があった」と、元従業員が起こした私的仲裁の裁定(新たに公開された文書の1つ)には書かれていた。

新たに公開された文書は、従業員の入社12カ月以内に行われる大量レイオフに「アーリープロフェッショナル採用」の従業員を含めることができない方針など、IBMがさまざまな手法で年配従業員の置き換えを進めようとしていたことを示唆する内容となっている。

法に触れる「若返り戦略」

訴訟では、IBMが年配従業員を排除するために雇用継続の条件として国内転勤を要求した、という主張も行われている。ほとんどが転勤を断るとみて進められたものだ。

ある社内メールには「一般的な転勤承諾率は8〜10%」と記され、別の社内メールには、転勤を受け入れた従業員に会社として別の仕事を用意する必要がある、とも書かれていた。そもそも転勤を求める実務上の根拠がなかったことを示唆するものだ。

また、レイオフの対象となった従業員は、社内の求人に応募することが正式に認められていたにもかかわらず、こうした従業員を採用しないよう会社が管理職に働きかけていたことを示す証拠も、新たに開示された文書には含まれていた。

アメリカの「雇用における年齢差別禁止法」は40歳以上の採用と雇用について、限られた例外を除き、年齢による差別を禁じている。

(執筆:Noam Scheiber記者)
(C)2022 The New York Times Company

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