わが子の「受験失敗」親のあなたこそ試されている 「次の一歩を」の働きかけなどはむしろ不要

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いずれにしても、どれも子どもの気持ちを前向きにさせるというより、親が自分の感情を安定させるためにあれこれ行いがちなのです。

ですから、子どもに対して今特に何かをするのではなく、日常生活で親子の信頼関係を作ることのほうが望ましいと考えます。

さて、親がショックを引きずってしまっている現在の状態について、緩和させていくにはどうしたらいいでしょうか。今回の記事では「3つの視点」をご紹介したいと思います。感情を引きずる期間が短くなれば、子どもへの(悪)影響も小さくなります。

(1)「その子にふさわしい道が用意されている」と考える

一人の人間が同時に2つの人生をパラレルに経験することはできません。したがって、AとBと2つの道があったとき、どちらの道が良いのか比較検証することは不可能です。たとえば第一志望校に合格して進学するコースと、滑り止めまたは公立中学に進学するコースがあったとき、どちらのコースがより適切であったのかはそう単純に判断できません。

第一志望校にギリギリで合格しても、その先は?

仮に第一志望校にギリギリで合格しても、その後、成績が学校内で底辺をさまよい、自己肯定感が下がり、その後のやる気を失ってしまうケースは非常によくあります。

一方で、志望校に合格せず、公立中学への進学を余儀なくされた子が、中学でトップ層に入ることで自己肯定感が上がり、自信を得て、その後いわゆる難関大学へ進学するケースをたくさん見てきました。

また、第一志望校に不合格になったことで、勉強面よりも自分が得意としていた芸術方面に力を入れ、アーティストになった子もいます。

要するに、何が適切なのかわからないということです。わからないのであれば、「その子にふさわしい道が用意されている」と考えてしまうことが健全ではないかと考えています。

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