大村崑90歳「筋トレに目覚めて」手に入れた宝物 10時間ぶっつづけで眠れたのにはびっくり仰天
ぼくは19歳のとき、肺結核のため右の肺を切除しています。それ以来、「片肺飛行」のぼくはひどい息切れに悩まされつづけてきました。少し歩くだけで、すぐに息切れがするのです。
70年間以上も苦しめられてきた息切れから、筋トレが救い出してくれました。まさに奇跡以外のなにものでもおまへん。
ホンマにそんなことあるんですか、と怪しんでいる方もいるかもしれません。はい、ホンマです。
筋トレでは深い呼吸が大切になります。息を深く吸って、ゆっくりと吐き出す。これをくりかえしながら、体を動かすわけです。つまり、筋トレのたびに何百回も深い呼吸をくりかえすことで、呼吸で使う筋肉が鍛えられたんだと思います。そのため、肺活量が増えて、息切れもしづらくなったのでしょう。
実際、ぼくの筋トレの先生、岩越亘祐さんによると、筋トレによって、肺を動かす「呼吸筋」という一連の筋肉群も鍛えられ、肺の周囲全体が発達して、機能が上がったのではないかということでした。
また、筋トレによって、肺がなくてぺちゃんこだった右胸にもたっぷり筋肉がつきました。そのおかげで左右の胸の高さが揃ったのです。以前は、右胸が極端に低くて左側との差が目立ちすぎ、ぴたっとしたTシャツが着られなかった。今は、左右の胸が同じように逞しく盛り上がっているから、Tシャツかて着こなせます。
いずれにしても、たくさんの酸素を胸いっぱいに吸い込めるようになったおかげで、ぼくは今、少し歩いた程度では息切れしません。酸素を求めてハアハアと荒い呼吸をすることもなくなったのです。
片肺を切除してから70年間、ぼくは極端な「酸素不足」の状態のまま生きてきました。それが、最晩年になってはじめてふつうの人と同じように、ひょっとしたらそれ以上にたっぷりと酸素を吸い込みながら呼吸することができるようになったのです。
外出が楽しくてなりません
息切れをしなくなってからは、外出が楽しくてなりません。つい先日も、瑤子さん(ぼくの奥さんです)とふたりで買いものに出かけました。速足の瑤子さんと肩を並べて歩けて、いい気分です。
で、なにかの拍子に瑤子さんの手がふれて、ぼくはそのまま瑤子さんの手を握って歩きました。瑤子さんの手をつないで歩いたのは、何十年ぶりでしょう。久々に握った瑤子さんの手が温かくて、気分がなごみました。
その晩、瑤子さんはフェイスブックに「久しぶりに主人と手をつないで歩きました。主人の手は温かかった」と投稿していました。
同じこと、感じていたんですね。
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