ECBとイングランド銀行インフレ対策の違い鮮明に ECBは金融緩和継続、英中銀2会合連続利上げへ

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欧州の2大中央銀行が今週、政策会合を開く。両中銀の政策決定は、インフレ高進への対策の道筋が非常に異なることを浮き彫りにしそうだ。

2月3日に予定される両中銀の政策決定発表では、2会合連続で欧州中央銀行(ECB)よりもイングランド銀行(英中銀)から花火が上がりそうだ。ベイリー総裁率いる英中銀は2004年以来となる2会合連続の利上げを発表する見通し。

英中銀による0.5%への政策金利引き上げが実施されれば、3月に保有債券の縮小を開始する道が開かれ、10年以上にわたり拡大が続いたバランスシートの転換点となる。

 Source: Bloomberg Economics

 

しかし、ラガルド総裁率いるECBにはそうした瞬間が訪れそうにない。ECBは既に今年、資産購入を継続する計画を打ち出しており、中期的なインフレ見通しが落ち着いているため利上げの可能性は極めて低いことを示唆している。投資家の間では、向こう1週間に見通しが変化する確率はほとんどないとの見方が大半だ。

ECBは来年序盤にまずQE終了、利上げ開始はその半年後-調査

ECBが極めてゆっくりと正常化を進める方針を示しているものの、英中銀はパンデミック後の政策引き締めに向けた道筋を切り開いていく姿勢を見せており、両中銀の政策は乖離(かいり)が目立つ。

今のところ他地域の中銀は英中銀寄りで、米連邦準備制度は3月の利上げ開始を支持したと受け止められており、市場では今年の急ピッチな米利上げ観測が広がっている。

今週は4日に1月の米雇用統計が発表されるほか、ブラジルやチェコの中銀も利上げが見込まれており、オーストラリア準備銀行は債券購入プログラムの終了を発表する見通し。

 

原題:

Europe’s Big Two to Deepen Split on Inflation Response: Eco Week(抜粋)

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著者:David Goodman (London)

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