新たな「駐日大使」に指名反対相次いだ深刻理由 スーパースターと言われた元シカゴ市長の過去
裁判所がビデオの公開を命じる前に、エマニュエル氏は再選を目指して出馬しており、特に黒人社会では、映像の公開が遅れたのはエマニュエル氏の責任であり、シカゴ警察による大規模な隠蔽工作もあって、二度目の就任を目指すエマニュエル氏が多大な利益を得ていたと考えている人が少なくない。
もう8年も前のことだが、シカゴ市、アメリカの黒人社会、そしてアジアの黒人社会もこのことを忘れていない。
バイデン大統領によるエマニュエル氏の指名には、民主党員からも反対の声が上がった。アレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員は、バイデン大統領の指名を「深く恥ずべきこと」と呼び、ミズーリ州のコリ・ブッシュ議員は、上院に対して 「正しいことをして、彼の指名を阻止するように」と呼びかけた。全米有色人種地位向上協会(NAACP)の代表であるデリック・ジョンソン氏も、エマニュエル氏に対して意見を述べた。
「前シカゴ市長のエマニュエル氏は、公明正大なリーダーでも人でもないことを示した」とジョンソン氏は指摘する。「彼が公務に就いていた期間は、予防可能なスキャンダルと、シカゴの最も脆弱なコミュニティを見捨てることで重荷を背負っていたことが証明された」。
駐日アメリカ大使の重要性
在日アメリカ人、こと有色人種にとって駐日大使の果たす役割への期待は大きい。が、キャロライン・ケネディ元特使やウィリアム・ハガティ元特使が差別やダイバーシティ、インクルージョン問題に取り組んだという記憶はあまりない。
2015年に、日本の大手テレビ局が黒塗りの黒人のまねをした芸能人の番組を放送する予定で、何日も前から宣伝していたとき、私はケネディ大使に個人的に働きかけた。当時、何千人もの日本人が、放送局に番組の中止を求める署名活動を行っていた。しかし、ケネディ氏からは何の連絡もなかった。
私たちは気を落とさなかった。そして、ケネディ氏がいなくても嘆願書の提出は成功したが、「ブラックフェイス」のように自国民を侮辱することに対して、大使館が積極的に声を上げてくれていれば素晴らしいことだった。
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