イスラム国に打ち勝つ3つの条件

「力」だけでは狂信主義を根絶やしにできない

ISを燃え立たせるイデオロギーは、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタン、ソマリア、イエメン、北アフリカ、およびアラビア半島のアルカイダとその仲間たちのイデオロギーと多くの共通点がある。懸念されるのは、10年前にそのようなイデオロギーだけで、しかもアフガニスタンの洞窟の原始的な基地から、 アルカイダは世界を脅かせたことだ。 ISの信奉者たちは科学技術、財政、巨大な陸上基地、および国際的な聖戦ネットワークへのアクセスを所有している。打ち負かされるどころか、彼らの怒りと憎悪のイデオロギーは、いっそう厳格になり、邪悪に広まっている。

テロリスト集団を殲滅(せんめつ)しても、永続的な平和には十分でない。もっと根本的に、彼らの危険なイデオロギーを再生させる力を奪わなければならない。

解決に必要な3つの条件

解決には3つの条件が必要だ。まず第1に、啓発された思考、開かれた精神、寛容と受容の態度で悪質な思想に反撃すること。これはイスラム教の教えだ。

第2の条件は、人民への真のサービスを実現できる安定した制度を創設する政府の努力への支援だ。ISの急成長はシリア、イラク両政府の失策が原因だ。

そして最後に、 中東の多くの地域を悩ます人間性のブラックホールを解消することだ。 これはアラブだけではなく国際的な責任だ。貧困を排除し、教育と保健を改善し、社会基盤を構築し、経済的な機会を創出する長期的なプロジェクトとイニシアティブが肝要だ。

この地域は2億人以上の若い人々の故郷だ。彼らに希望を与え、そのエネルギーを地域の人々の生活改善へ向かわせる契機が来ている。経済発展を実現し、雇用を創出し、生活水準を向上させる努力の日々が、絶望を餌とする恐怖と憎悪のイデオロギーを弱体化させる。よりよい生活への希望より強い力は存在しない。

週刊東洋経済2014年10月18日号

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