今回、話を聞くのは山田志保さん(24歳・仮名)。東北地方出身で、関東圏の4年制大学を卒業後、出版関係の企業に就職して3年目になる女性だ。
借りた奨学金は、第1種(無利子)が307万2000円、第2種(有利子)が576万円で、合計して883万2000円……およそ900万円という金額だ。その結果、月々の返済額は3万6977円。これが20年間続くという。
「東京の大学に行こうと思って親に伝えたら、『生活費と学費は自分で出してね』と言われたのが、奨学金を借りたきっかけです。家の財政事情はなんとなく把握していたので、『でしょうね』というのが、正直な感想でしたね。両親はともに高卒で、大学がどんな場所か知らなかったのも影響していたと思います」
かつては、漁業で栄えたが、今はすっかり衰退してしまっているという志保さんの故郷。家族構成は両親と兄で、兄も中学を卒業後すぐに働き始めて、現在も実家で暮らしているという。3人とも堅い仕事をしており、比較的保守的な考えの人たちのようだ。
また、高校の教師たちも、同じように保守的で、志保さんの肌には合わなかった。
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