iPadも刷新へ、ただし「衝撃的進化」は期待薄 iPhoneとの機能面での共通化が進む見通し
筆者はiPhone 5sとiPad miniを利用してきたが、新型のiPhoneを手にして以降、5.5インチのiPhone 6 Plusに集約しても良いのではないか、と考えるようになった。あるいは、4.7インチのiPhone 6への集約も、考える事ができるほど、新しいiPhoneのディスプレイに対する満足度は高い。
2013年にリリースされたiPhone 5sと、iPad Air・iPad mini Retinaディスプレイモデルは、それぞれ同じA7プロセッサを搭載している。おそらく2014年リリースのiPhone 6シリーズと新しいiPadについても、A8プロセッサが搭載されることになるだろう。となると、処理性能差についても、大きな違いはない。
2台持つより1台、というのはコスト面でも合理的な判断に思える。またモバイルデバイスにとって最も重要なバッテリーについても、1台を毎晩着実に充電すれば良い、という点で手間とリスクを回避できそうだ。MacはやはりiPhoneやiPadとは異なる、仕事やクリエイティブ作業に適した環境で、iPhoneとの共存を目指している。
iPadは、こうしたアップルの新しいエコシステムの中で、ポジションを失いつつあるのではないだろうか。
しかし、iPadにとっての強い味方が用意されていた。
2014年7月15日にアップルは、IBMと提携したのである。エンタープライズのモバイル分野について、アップルはハードウェアとこのサポート、IBMはビジネスソリューションをそれぞれ提供する事になっており、今秋からその取り組みが始まる。
もちろんこの提携にはiPhoneも含まれているが、IBMのソリューションを活用するという側面でのiPadの活用は非常に期待できる。
第三世代iPadの衝撃は再び訪れるか?
iPadについて、筆者の非常に強い体験を紹介しよう。米国に渡って5ヶ月ほどしてリリースされた第三世代iPadは、米国での生活の中で非常に大きなインパクトを受けた、とふりかえることができる。
2012年3月にリリースされたiPadは、すでに2010年のiPhone 4から搭載してきた高精細ディスプレイ「Retinaディスプレイ」を初めてiPadとして搭載し、2048×1536ピクセルという高解像度を実現していた。またiPhoneシリーズに先駆けてLTEをサポートし、高速通信を実現した。
この2つの要素は、筆者が経験していたパソコンでのコンピューティング体験を、いずれも大きく上回るものであり、「iPadがパソコンの体験を完全に上回った」と感じたのだ。
筆者は当時、1366×768ピクセルのディスプレイを持つMacを使っていた。これと比較してiPadは、およそ3倍の画素数を誇る。当然、写真やビデオなどは非常に精細な表示を楽しむ事ができたが、より驚いたのは文字表示だった。
パソコンのディザ(ぎざぎざ)がかかったり、輪郭がぼやけた文字表示と比較して、iPadは印刷のような滑らかな文字が表示され、むしろ写真やビデオよりも驚きがあった。その後、2012年6月にRetinaディスプレイを搭載したMacBook Proが登場し、キレイな文字表示のためにすぐに乗り換え、現在も愛用している。
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