中国人に大人気の“変身写真”、観光地での記念撮影やネットの自己紹介用にも普及
ちょっとした小金持ちの中国女性なら、風光明媚な世界遺産の都市で最高の自分撮りを、と思うのは自然なことなのである。したがって九寨溝などの中国の果てでも、沿岸部の都市の顧客を満足させるべく、沿岸部同様の機材とサービスを提供する必要がある。こうしたニーズに応えるのは、都会での生活をやめ、田舎暮らしをしようと決めたカメラマンによる現地の写真屋だ。
気になる利用料金はピンキリで、基本は1000~2000元(1万3000~2万6000円)。ほぼ都市住民1カ月分の給料だ。これで化粧をしてもらい、貸衣装を何着も貸してもらい、公園と室内でプロカメラマンがデジタル一眼レフカメラで撮影してくれて、最後にはアルバム1冊と額縁に入れるための大きな写真がもらえる。
ピンキリのピンのほうはといえば、日本円で10万円以上。基本セットに加え、数日かけて遠くの観光地まで遠出して撮影するほか、レーザー彫刻を施したクリスタルや、3D処理を施した写真など、凝った写真が多数もらえる。
さて、ここまでなら中国在住日本人ならば特別珍しい話ではない。さらに変わった中国の撮影サービスを紹介しよう。
インターネットの普及で、インターネット利用者は個人情報の管理にナーバスになってきているが、一方で人気チャットソフト「QQ」や掲示板やオンラインゲームなどで自分撮りの写真をアイコンにするのが普通だ。
多くの人々が友人だけの限定公開でなく、第三者が誰でも見られるアルバムサービスを利用し、自分の写真を惜しげもなく公開する。中国人は自己顕示欲が日本人よりもずっと強いともいえるし、日本人の防衛意識がよりナーバスと言えるだろう。
こうしたことから、ネットでの自己紹介用の写真撮影サービスというのも存在する。