だからヤマ発は「YouTuber」を起用した 個人がマスメディアを凌駕する時代

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ユーチューバーのうち、HIKAKINさんをはじめとするトップ層には、ユーチューブへの動画投稿で生計を立てているという人も少なくない。収入源は、動画の前や再生中に表示される広告の広告収入や、ヤマハ発動機のような広告主とのタイアップ動画制作のフィーなど。ユーチューバーの影響力がより大きい欧米では、年間数億円を稼ぐツワモノもいるとされる。

YouTuberのマネジメント会社も

もっとも、動画の再生による広告収入は、100万回の再生で10万円程度が目安。商品レビュー動画で人気のユーチューバー、ジェットダイスケさんは「動画の広告収入だけではなかなか生活できない。企業とのタイアップ企画が必須」と明かす。

ユーチューバー専門マネジメント会社uuumの鎌田社長(右)と所属ユーチューバーのジェットダイスケさん

そうした中、ユーチューバーと企業とを橋渡しする会社も現れた。2013年6月に設立された、日本初のユーチューバー専門マネジメント会社のuuum(ウーム)がそれだ。

所属するユーチューバーはHIKAKINさん、ジェットダイスケさんなど現在29人。ユーチューバーが動画の制作に集中できるよう、企業とのタイアップ案件の調整やメディア取材の対応準備などをユーチューバーに代わって行う。

uuumの鎌田和樹社長は「マスメディアの時代から、個人がメディアになる時代に変わってきている」と見る。現実にはユーチューブで食べていけるのはごくわずかのトップ層だけ。だがユーチューバーの活躍の広がりは、個人の発信力がマスメディアの影響力に追いつき追い越すことのできる可能性を示している。

※10月8日(水)、本記事に関連した特集週刊東洋経済(10月11日号)「新聞・テレビ動乱」と関連したセミナー「大変革期に未来を語る 今メディアが面白い」を行います。詳細はこちらをご覧ください。

長谷川 愛 東洋経済 記者
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