子育て支援に乗じた官の肥大化を許すな

子育て支援に乗じた官の肥大化を許すな

今年6月下旬、政府の「子ども・子育て新システム検討会議」は、子育て支援策に関する改革案をまとめた。複数の省庁に分かれている担当部局を「子ども家庭省」(仮称)に一元化し、幼稚園と保育所は「こども園」(仮称)に統合するのがポイントだ。2011年の通常国会に関連法案を提出し、13年度の施行を目指している。

政府の子育て支援策は、1994年の「エンゼルプラン」以来、これまで何度も提唱されながら効果は上がらなかった。それを踏まえて議論し、今回発表した改革案の中には、評価できる面もある。

だが、この案をよく眺めてみると、中央官僚の暴走ともいえるような問題点が浮かび上がってくる。

競争阻害する公定価格

政府の子育て支援策は、子ども手当のような現金給付のほか、保育サービスなどの現物給付もさまざまあり、管轄する省庁は複数にまたがっている。改革案では、これらの支援策を整理統合し、子ども家庭省を創設して管轄するとしている。

また、子育て支援策のニーズは地域によって異なるため、地方自治体に裁量権を持たせ、現金給付や現物給付のメニューを自由に組み合わせることができるようにした。

幼保一体化については、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省と管轄が分かれ、なかなか実現しなかった。
06年に両方の機能を一体化した「認定こども園」制度がスタートしたが、根拠法や管轄省庁が二つに分かれていることなどがネックになり、普及はしていない。改革案では、認定こども園も含めて「こども園」に統合し、保育と幼児教育の両方を提供するとしている。

こうした長年の懸案だったテーマに明確な方向性を打ち出したことは、一歩前進といえるだろう。

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