スズキ新型「スイフト」発表会見での鈴木修会長との一問一答、「円高は限界を超えてきた気がする」
--国内の軽自動車市場では、ダイハツ工業がJC08モードで燃料1リットルで30キロメートル走る新型車を来年出す、と宣言をしてみたり、先般はホンダが「国内市場の半分が軽自動車になる可能性がある」という思いのもとに、軽自動車の再強化を宣言したりしている。国内の軽自動車市場の競争激化が予想されるなかで、スズキとしては軽自動車とスイフトのような小型普通乗用車それぞれに、どのように力を入れ、両事業のバランスをとっていくのか。
鈴木会長 軽自動車を殺すのに刃物はいらない、と私は前から言っている。やはり税制の問題がありますね。その見極めをしながらやっていかないといけない。それからもう1つの「JC08モードでうんぬん」という話は、スイフトも今回のモデルチェンジで燃料1リットル当たり23キロメートルへ燃費が上がった。軽か小型乗用車かを問わず、やはり燃費効率をよくすること。今までの20キロとか20何キロとかでは通らない。
政府も2005年に対して15年の燃費基準、20年の燃費基準、あるいは30~40年の考え方も論議されている。いずれにしても、まず、他社のことを考えるよりも、自分のところのガソリンエンジンの燃費をよくするということに尽きると思う。それによって道が開かれる。
私見だが、軽自動車のスピードメーターに120キロメートルの表示をする必要があるのかね、という思いもある。馬力を大きくし(中略)今までは走れ走れコータローでやってきたが、軽自動車のあり方を考えていくことも必要じゃないか。僕はせいぜい、70~80キロメートルあれば十分じゃないかと思う。狭い日本、そんなに急いでどこへ行くという標語があったが、文字通り、狭い日本とは申しませんが、ガソリンをようけ使う走り方を考え直す。車の燃費がよくなることと同時に、ドライバーの皆さん方もそういう考え方でやっていくというようなね。
よく僕は言うんだけれど、今の車のガソリンのタンクは40リットルも入る。家庭の主婦がスーパーマーケットや通勤、子供の送迎やおばあちゃんを病院へ送っていくというような使い方で、一日でそう長い距離を走るわけではない。かつ、40リットルタンクに40リッターの燃料を入れれば車は40キログラム重くなるということ。今回の新型スイフトも、現行比10キログラム軽量化したが、仮に、タンク容量を10リットルにすればもっともっと軽くできたはずだ。
今までの感覚をわれわれメーカーも変えていく必要がある。さかんに営業に言っているのは、燃料タンクに40リットル入れるのでなしに、10リットルで入れてくださいと。その代わりに頻繁にガソリンスタンドへ行くということをやってください、というキャッチフレーズが作れないかと。今までは、頻繁にガソリンスタンドへ行くと燃費が悪いような気がするというお客さんもいたが、そういう感覚もだんだん薄れてきたのじゃないでしょうかね。
軽自動車は町の中を走る車だ。ハイブリッドシステムを乗せて東京・大阪間を走るわけではない。したがって、小型普通自動車とは一線を画して、シティカーというかタウンカーというかチョイ乗り、そういう車という体でやっていくと。メーカーも、走ります、飛ばせます、と強調しすぎて自滅している面もある。
--インド・日本経済連携協定(EPA)締結についての考え方は。
鈴木会長 韓国はすでにインドと協定を結び関税がない。一方、スズキだとインドの現地調達率はさきほど申し上げたとおり95%程度だが、残り5%は日本から持って行っている。日本も早くインドと結んでもらわないと、ハンディがついちゃうんですね。報道によると、この秋にも決まるということのようだが、一日も早い締結を期待している。
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