スズキ新型「スイフト」発表会見での鈴木修会長との一問一答、「円高は限界を超えてきた気がする」

--円高について、政府に対して要望はあるか。それと関連して、民主党の小沢一郎氏が代表選に出馬する意向を固めたようだが、経済がこれだけ混乱しているなかでどう思うか。

鈴木会長 円高については、われわれは自分の企業ですから。政府の企業じゃありませんから、企業を守るという点では責任を持ってやっていかなくてはならない。ただちょっと、限界を超えてきた感じがする。

スズキはピーク時で（売上高）3兆5000億円あったが、それが2億5000億円へおよそ1兆円減った。この2年間の為替の様子を見ると、そのうち5000億円が為替相場の変動による目減りだ。車の販売減による影響は約6000億円。だから、半分は為替の変動による目減りということだ。それが1ドル100円から95円へ円高になった影響だったわけだ。それが今度は85円とかになるわけだから、まあ、東京に悲鳴が聞こえて欲しいなと。

いろいろ重要案件があるようだが、日本が沈没したらそれもなくなりますからね。日本が沈没しない対策を立ててから、やっていただきたいと考えている。落ち着かない毎日を送っている現状だ。

--インドでは、現行スイフトがまだ売れ続けているが、新型をいつ投入する計画か。
 
 鈴木会長 表現としては、可及的速やかに、という考え方を持っているが、現行スイフトも生産が間に合わないという状況だから、今直ちに、ということは販売のチャンスを逸することになる。その辺の売れ行きを見てやりたい。準備は急ぐし、ちゃんとしておく。型の手配とか。しかしそんなに急ぐ必要はないんじゃないか。

ただし、他社が（現行）スイフトを見ていろいろ対抗車を出されておりますから、一世代遅れているスイフトでどこまでがんばれるのかというのはまたこれも問題。「備えあれば憂いなし」、という体制でいきたい。

--新型スイフトをフォルクスワーゲンにOEM供給する、あるいは販売協力をするなり、何らかの協力体制を敷くことはないのか。

鈴木会長 フォルクスワーゲンとは、この新型スイフトについて、何もかもすべての分野で、協力することは一切ない。これは明確に申し上げておきたい。