検索とコミュニケーションの融合でヤフー・グーグル連合に挑む--井上俊一・バイドゥ日本法人社長
7月下旬、ヤフー・ジャパンがグーグルの検索エンジンを採用すると発表。ネット検索業界に激震が走った。両者の国内ネット検索シェアの合計は9割超。国内のネット検索は、事実上、グーグルのアルゴリズムで独占されることになる。
こうした中、中国で7割超のシェアを持つ検索サービス「バイドゥ(百度、Baidu)」の日本法人を率いる井上俊一社長は、「ネット検索での選択肢は必要。ヤフーとグーグルの提携は、非グーグル陣営にとってはチャンス」と語る。井上社長に今後の日本市場での展開などについて聞いた。
--日本のヤフーの検索事業責任者から、バイドゥ日本法人社長に転じて2年になる。バイドゥの国内シェアはまだまだ低いが、これまでの評価は。
この2年間はWeb検索、画像検索、動画検索など、検索サービスの品質向上に焦点を当ててやってきた。クオリティは改善できていると思う。会社としての組織作りも含めて、ある程度、軌道に乗った。また、新サービスとしては、日本では絶対に必要な携帯電話向け検索を独自に投入したほか、日本語変換機能(IME)なども投入している。
ただ、トラフィックの水準には満足していない。これを強化する必要がある。
--日本のネット検索ではヤフー、グーグルが圧倒的だ。どう差別化するのか。
世界的に見ても、検索だけでは勝負できなくなっている。バイドゥも、検索に加えてソーシャルメディア化を進めているところだ。
中国の百度では、キーワードごとに「部屋」を作って、そこでユーザー同士がコミュニケーションを取れるソーシャルサービスが非常に人気を博している。検索と並んで、百度の集客力の源泉となっている。このサービスの日本語版「てぃえば」のβ版を7月27日にスタートさせた。