ワークマン「女性向け店急増」に隠れた意外な戦略 「アパレルへ移行」は誤解、職人の利便性を重視

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ワークマンでは若手のうちにSVを経験させるケースがほとんどになっている。入社してまず直営店の店長となり、それからSVになるのが多いパターンだ。

若いうちにSVになれば、店長に指導するより店長から習う部分のほうが多くなることもあるが、それはそれでかまわない。少しずつ力をつけていくことで有効なアドバイスができるようになっていく。

データに偏重しすぎるのは問題であっても、うまくデータを活用できたなら、若いSVの言葉も説得力をもってくる。特に店長が知らないデータをもとに話をしていけば納得してもらいやすくなる。

また、ワークマンプラスが増えたうえに、既存のワークマンでもカジュアルな商品の扱いが増えているので、若いSVのセンスを生かしやすくなっている。マネキンに何をどのように着せるのがいいかといったことなども含めて、「こんな売り方もいいですよ」といった提案ができていく。そういう面での期待も大きい。

「エラー」に気づいて対策を考える

平野貴行営業本部長は若いSVへのアドバイスとして「店長が何を知りたいと思っているのかをよく聞いてきなさい」、「店ではエラーを探すようにするのがいい」という言い方をしているそうだ。

「エラー」とは平野本部長独特の表現であり、埋もれがちな問題点などを指している。店長が見つけているエラーとSVが見つけられるエラーは違うものになりやすい。すべてのエラーを拾い出して解決できたなら、店舗運営は大きく改善されていく。

エラーは、商品の扱いやオペレーション、接客、あるいは感情的な部分での本部とのすれ違いなど、さまざまな部分に出てくることがある。

例えば、もう売れないのではないか、というような在庫が売り場の目立たないところにたまっていることもある。店長が意識しているわけではなくても、「できれば見たくない」という心理があるので、いつのまにかそうなっている場合があるのだ。

アナログな例だが、それもわかりやすいエラーのひとつだ。そういうところに気づいて対策を考えるのもSVの役割になる。

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