北朝鮮の対外窓口、羅先市に集まる海外企業

環日本海経済研究所の三村光弘調査部長に聞く

金正恩体制になり、経済を回復させようとあらゆる政策を打ち出している北朝鮮。昨年には「経済開発区法」を制定し13カ所の経済開発区を指定、さらに今年には地方級の6カ所を指定している。
北朝鮮にはすでに東北部、中国とロシアと国境を接する「羅先経済貿易地帯」がある。1991年に設定されて以降、浮き沈みを経ながらも北朝鮮の対外窓口としての役割を果たしてきた。今年8月18日から21日まで、この羅先で「羅先国際商品展示会」という経済イベントが開催された。北朝鮮国内や中国、欧州などの企業が各社製品などを展示・販売するイベントで、投資説明会も開催された。
朝鮮中央通信などの報道によれば、展示会全体で約70種類、6万4000点の製品が展示されたという。また、北朝鮮の企業も20社が参加したようだ。北朝鮮経済に詳しく、同期間に羅先を訪問してこの展示会にも出席した環日本海経済研究所(新潟市)調査部の三村光弘部長に、現地の様子を聞いた。
中国とロシアと国境を接する「羅先経済貿易地帯」。ロシアや中国企業の進出で活性化している(ロイター/アフロ)

――展示会には昨年も訪問されたとうかがっています。

そうだ。今年の展示会は、参加企業数は前年より少し減っていたが、全体の規模としては同じぐらいと思えた。こういう展示会は、即売会の性格も非常に強く、羅先市民が先を競って買っていく。

人気商品を持っている企業は昨年に続いて参加しており、なかには場所もブースも他社の倍を取って展示・販売していた企業もあった。前年と比べると、「お客がつく」企業が今年も参加し、そうでない企業は参加を取りやめたという印象を持った。

中国企業が最多、市民の購買意欲も高まる

――海外企業はどこの国が多かったでしょうか。

やはり中国だ。特に国境を接する吉林省や遼寧省の企業が多い。業種も広がっているようだ。特に、家電や調理・台所用品などの日用品メーカーの参加が多い。太陽電池や付随する充電器などが市民に人気があった。太陽電池ではA2判ぐらいの大きさで、大きめの発光ダイオードやテレビの電源として使えるようなものが、電池とインバータ込みで2000元~5000元(約3万5千円~9万円)程度で売られていた。

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