プレゼンのヘタな人が知らない「話し方」3大要素 内容や演出が物足りなければ人の心は動かせない

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「どんなお仕事をされているんですか?」と聞かれたとき、私は以前なら「話し方を教えています」と何も考えず答えていました。すると相手は決まって「ああ、発声とか滑舌とかですね」と言われることがほとんどでした。それくらい、「話し方」=「発声・滑舌」と思っている方が多いのです。

次に多いのが、「会話」に関する本です。最近は特にその割合が増えている気がします。冒頭ご紹介した永松さんの本も、その多くは会話に関する内容でした。コミュニケーションに悩む人が増えているからでしょうか、相手との関係を良好にするにはどんな風に話せばいいか(聞けばいいか)、その表現方法などが非常に丁寧に書かれていると思います。

これとほぼ同じ狙いなのが、「雑談」に関する本です。相手と気まずい時間を過ごさないために、何をどのように話せばいいのかなどがテーマになっていることが多いですね。

中には話し方を変えれば、「人生が変わる」とか「お金がもうかる」という効用までうたう本もあります。こうした分野の本も、「発声・滑舌本」と同じように、全て「話し方」に分類されています。

「話し方」と一口に言っても、どの部分のスキルを言っているのか、読者が何を求めているかによって、異なったものを指すことがあるというのが、「話し方本」の現状なのです。

プレゼンにおける「話し方」はどれくらい重要なのか?

では、私が言っている「話し方は3割」とは、何を指しているのか?

それは、ビジネスで必要とされるプレゼンテーションやスピーチなど、「人前で」「まとまった内容の話」を「しっかりと伝える」ために必要なことを表しています。

限られた時間で最大の効果を発揮しなくてはならないビジネスのプレゼン。そこで大切なのは、何よりも、聞いている人にとって「すとんと腹オチする」こと、「聞いていてストレスを感じない」こと。もちろん話す側としては、ただ話せば良いのではなく、「相手の心を動かす」ように話さなくてはいけません。

そのために必要な要素は、私は、大きくこの3つだと考えています。

(1)「話し方=いわゆる声を出して話す行為そのもの」

(2)「話す内容の仕上がり具合」

(3)「スライドなどの見せ方やしぐさ、表情、視線の送り方などの演出」

そして、これらの要素の重要性を割合で示すと、

話し方=3、

話す内容=5、

演出=2。

そうです。ビジネスプレゼンなどでの重要度でいえば「話し方は3割」。「話し方」ばかり考えて、残る7割を無視しては、人の心を動かすプレゼンなどおぼつかない。話し方よりも重要なのは「話す内容がどこまで仕上がっているか」ということなのです。

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