アメリカ大使館が異例の警告「日本の警察」の疑い 多くの在日外国人が感じている「不当な扱い」

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今回のアメリカ大使館による警告が遅きに失していると思ったのは、テリーさんだけではなかった。実際、ソーシャルメディアでは多くの人が「そんなこといまさら言うまでもない」という反応をしていた。

一部の人はまた、レイシャル・プロファイリングが疑われる例が大幅に増えている理由をそれぞれ推察した。アメリカ人、特に有色人種が、警察がつねに自分たちを不当に標的にしていると不満を言っているわけではない。

ここでのシナリオは、映画「カサブランカ」のシーンを思い出させた。腐敗したフランスの警官ルノー署長が、自分が常連のカジノの真ん中で、その晩のギャンブルの賞金を手渡される直前に、ハンフリー・ボガート演じるリックに対して、「ここでギャンブルが行われているのを知ってショックだ」と言うシーンだ。

なぜ突然アメリカ大使館が警告を発したのか

アメリカ大使館が突然、日本の警察を諌めることに決めた真相に迫ろうとして、いくつかの理論が浮上した。

「アメリカ大使館の誰かが警察に止められたに違いない」と、日本で作家として活躍するマシュー・カウフマンさんは推察する。

「長年にわたって多くのアメリカ人が、何度も警察に止められたことへの不満を伝えにアメリカ大使館に行ったはずだ。しかし、私が知るかぎり、プレスリリースみたいな警告がこれまで発行されたことがなかった。連続的にハラスメントを受けてきた一般の人々の苦情は却下されることが多いが、幹部からの苦情は波風を立てることがあるのではないか」

私は在日アメリカ大使館に連絡し、実際の回答を得て憶測に終止符を打とうとしたが、残念ながらなんの回答もなかった。 プライバシー上の理由から、アメリカ大使館は特定の件について論じないと言う。

広報担当者によると、「アメリカ国務省は、海外のアメリカ国民の安全と保安を超えた責任を負わない。当局は、警察によるアメリカ国民を含む外国人のレイシャル・プロファイリングの疑いについて、日本で複数の信頼できる報告を受けており、これらの報告をしかるべき日本当局に伝えている。在日大使館のアメリカ市民サービス課のツイッターアカウントは、重要な安全および保安情報を提供することにより、海外に渡航および居住するアメリカ国民を保護する役目がある」としている。

「私は日本が大好きで、文化と人々が大好きだ。しかし、日本はつねに島国であり続け、その歴史の大半は世界から孤立してきた」と、教師、ミュージシャン、音楽プロデューサーのデロン・レイノルズさんは話す。

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