何でも「レンチン調理」への痛烈な違和感、5大欠点 作ってみて驚いた「本当においしいですか?」

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レンチン調理に異を唱える私ですが、ある女性からこんなことを言われました。

「私は料理の時間がもったいないと思う。料理の時間を1時間節約できれば、その時間をクリエイティブな仕事にあてられる。だから私はレンチンはもちろん、外食も出来合いのものも、便利なものはフルに活用します」

もちろん、それは個人の価値観ですから、私がとやかくいう筋合いのものではありません。

しかし「便利さ」を求めるということは、その「裏側」にあるものも引き受けることになるのです。それは食品添加物に支えられた加工食品を支持することでもあり、中国をはじめとした海外からの輸入調理済み冷凍食品を支持することにもなるわけです。

わざわざエネルギーを使ってCО2をまきちらして、遠く海外から運んできて、挙句の果て大量の食品廃棄を出しているのが、日本のいまの姿です。

出来合いの弁当ならば、プラスチックゴミも出ます。CO2にしろ、エネルギー問題にしろ、プラスチックゴミにしろ、次世代に負の遺産として残してしまうわけです。

その話をすると彼女は最後に「これからは作ります」といってくれました。

レンチンしなくても「手抜き✕極うま」は可能

時代の流れは一直線に「便利・効率」に向かっています。「レンチンレシピ」はその代表といえるでしょう。

もちろん忙しいときにレンチンを使うのも仕方ないとは思います。ただ、私がもう1つ声を大にして言いたいのは、「別にレンチン調理にこだわらなくても、手抜きでおいしいごはんは、いくらでも簡単に作れる」ということです。

たとえば、私が開発した「魔法の調味料」の「かえし」と「みりん酒」さえ用意しておけば、15分で簡単に肉じゃがが、しかも無添加で作れます。強火でいっきに煮て、余熱で味をしみ込ませるので、驚きの速さで完成です。

安部氏が開発した「かえし」と「みりん酒」さえ用意すれば、15分で簡単に作れる「爆速肉じゃが」(撮影:佳川奈央)

鍋でコトコト煮るおいしさを忘れてほしくない、そしてそれを子どもたちに伝えていってほしい、心からそう願っています。

安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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