聞き上手が話し上手に劣ると思う人の大きな誤解 コミュニケーションに流暢な話し方は必要ない

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私はふだん、あまりテレビを見るほうではありませんが、時間があれば勉強のために、必ずその人の番組を見ると決めている人がいます。

それは明石家さんまさんです。

さんまさんの司会者としての力は卓越したものがある、と思っているからです。

さんまさんは芸人ですから、当然トークも抜群です。

しかし、『躍る!さんま御殿!!』などをじっと観察していただけるとわかると思いますが、実はさんまさんはほとんど話していません。

たとえ話したとしても、次に話を振るゲストが話しやすいようにするために自分の話をするだけです。

基本的なスタンスとしては、

「ほー」

「へー」

「はー」

とわざとオーバーにリアクションをしながら、さんま棒でテーブルを叩いて笑っているだけです。

しかし、その会話のコミュニケーションのすべてを握っているのは、さんまさん自身なのです。

もちろん、さんまさんは日本でトップレベルの芸人であり、司会者ではありますが、そういった視点から見ると一般の私たちでも、コミュニケーションにおいて学べることはたくさんあります。

今度番組を見ることがある時は、ぜひ意識してみてください。

話し方より「聞き方」を磨くほうが簡単

「初対面だと緊張しちゃって、何を話せばいいのかよくわからないんです」

会話の悩みにおいて、いちばんと言っていいくらい聞くのがこの言葉です。

初対面というのは、当然相手のことをよく知りません。
ですから相手がどんな性格で、どんな会話をすればいいのか気後れしてしまう、これは世界中で見ても、特にシャイな日本人が持ってしまう象徴的な特徴と言っていいでしょう。

どんな場所でも、すれ違う人に「ハーイ」と声をかけたり、微笑んだりすることが日常的な習慣の欧米人に比べ、日本人は特に初対面を含むコミュニケーションが苦手分野に挙げられます。

「フランクにコミュニケーションを取るために、欧米のコミュニケーション術を学ぶべきだ」という理論もあります。

しかし私は、それが現実的な解決策とは思えません。国民性に合っているような気がしないのです。

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