HV不在で販売苦戦「レヴォーグ」発売1年通信簿 発売直後は善戦するも1年が経過して停滞ぎみ

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アイサイトXの前方検知イメージ(写真:SUBARU)

それら運転支援機能は、今日では他社も実用化が進むが、アイサイトXのよさは、当初のアイサイト以来あたかもクルマも運転者と一緒に前を見ているかのように、安心と信頼の手応えをもたらす点にある。したがって利用することへの躊躇がない。複眼で前方の様子を見るステレオカメラ方式に当初からこだわり、カメラ映像のカラー化にもいち早く取り組んだ成果だ。一度アイサイトを利用したら、なかなかほかへは替えられないといった気持ちにさせる。

高い完成度を誇るレヴォーグだが販売は低迷

それでも初年度の月販2200台を計画した新型レヴォーグが、1年を待たずそれを割る販売状況となったのはなぜだろう。

レヴォーグの1.8L直噴ターボエンジン(写真:SUBARU)

新型レヴォーグは、すべての車種が排気量1.8Lのガソリンターボエンジンで、これにチェーン駆動式のCVTのリニアトロニックという自動変速機を組み合わせる。ベルト駆動方式の通常のCVTに比べ、リニアトロニックはより高出力エンジンに対応でき、ドイツのアウディもCVTにチェーン式を選んだことでもわかる。

また新型レヴォーグは、全車が4輪駆動だ。それらによって、WLTCモードの燃費性能は13.6~13.7km/Lとなる。

11月25日の一部改良で追加された2.4L直噴ターボ“DIT”エンジン(写真:SUBARU)

スバルには、e-BOXERという独自のハイブリッドシステムもあるが、インプレッサやフォレスターには搭載車種があるものの、先にも紹介したように新型レヴォーグにはハイブリッド車の選択肢がない。ほぼ同等の車両重量になるインプレッサの4輪駆動車でe-BOXER搭載車では、15.2km/Lとわずかだが燃費性能で上回っている。

諸元数値はわずかでも、走行条件や運転の仕方などで、より差が開く可能性もなくはない。世界的な電動化の動きと、電気自動車(EV)への期待が高まるなかで、スポーツカーならともかく、ステーションワゴンで電動化した車種の選択肢がないというのは、時代感覚から外れていると指摘されても仕方がないのではないか。

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