「オミクロンショック」は株の買い場かもしれない 経済対策以外にも株価を下支えする材料とは?

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このような混乱に、発見された南ア型の変異株が輪をかけたわけだ。WHO(世界保健機関)は26日に緊急会合を開き、南ア型変異ウイルスを「懸念される変異株」に指定し、呼称は「オミクロン株」とした。

この「オミクロン株」の恐怖で、先週末の世界の株価指数はアメリカだけでなく、フランスCAC40が4.75%安、ドイツDAXが4.15%安、イギリスFTSE100が3.64%安、イタリアFTSE MIBが4.60%安、 スペイン IBEX35が4.96%安、オーストリアATXが4.18%安と、欧州主要国の代表的株価指数は軒並み4%を超す大波乱となった。

日本においても米欧の急落を先取りするように、26日の日経平均は747円安(一時は894円安)と、25日、75日、200日移動平均を一気に下回り、2万8751円となった。

実は日本の場合は、「オミクロン株」への恐怖だけではなく、中間配当再投資で建てた先物を実際の配当を受け取ったファンドが現物と置き換えることによる先物の売りも大きかった。日経平均シカゴ先物はさらに大幅安の2万8155円で帰ってきており、29日の連続下げも予想される。

投資家はこれからどう対応すればいいのか

さあ、この状況に対して、投資家はどう対応すべきか。まず、オミクロン株といえども、しょせんは新型コロナウイルスの変異株の一種である。人々にまったく免疫力がなかったところで発生した当初のパンデミックとは大きく違う。一部のメディアはデルタ型よりもさらに感染力が強く、既存ワクチンの有効性が問題になっていると言っているが、まだ本当の実態はわからない。

ただ、製薬各社も既存のワクチンの有効性の確認を急いでおり、2週間以内には結論が出せるとのことだ。もし既存ワクチンの有効性に問題があっても、100日以内に「修正されたワクチン」を出荷できるとしている。

このように、ワクチンや治療薬も使用がまったく不可能というわけではない。冷静に判断すべきだ。

世界の株価も、冷静になるまでの時間はそう長くないと思っている。30日で11月も終わるが、月足チャートでわかるように、9月は大きく上ヒゲ(3万0670円)を出したあと、終値(2万9452円)で元に戻ったが、10月は逆に長い下ヒゲ(2万7528円)を出したあと、買い戻されて2万8892円で終わっている。

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