線路も道路も走る「DMV」どんな運転免許が必要か 鉄道の運転以外に資格が必要な車両がある
鉄道の運転士。子どものころになりたかった人も多かったかもしれない。かくいう筆者もそうだ。多くの鉄道会社では、駅員や車掌の仕事を経験してから登用試験に挑み、みっちりと講習や実習を受けて晴れて運転士となる。
列車の運転には国家資格の「動力車操縦者運転免許」が必要だ。その中でもさらに電車、ディーゼルカーなどに分類されている。この免許を取るのさえ大変にもかかわらず、さらに別の資格を持っていないと運転できない車両もある。
DMV運転士になるには?
その1つが、2021年12月25日から四国の阿佐海岸鉄道が運行する「DMV(デュアル・モード・ビークル)」だ。
この車両は「デュアル」の名の通り、線路と道路上の両方を走ることができる。車体はマイクロバスの改造で、DMVは導入や保守のコストが一般の鉄道車両より安価であり、鉄道の定時性とバスの融通の利きやすさを併せ持つというメリットがある。一方でデメリットもある。DMVは専用路線以外は走れない。また、プラットホームも改築しなくてはいけない。
DMVは鉄道モードでの運行時は鉄道事業法、道路上でバスとして運行する際には道路交通法に基づいて営業する。このため、運転するには2つの免許が必要になる。まず、鉄道モードの場合は気動車(ディーゼルカー)となるため、その免許として「甲種内燃車運転免許」、そしてバスとして走る際のために、自動車の二種免許が必要である。これはバスやタクシーなど、営業用車両が業務として人を乗せる際に必要な免許だ。
自動車の二種免許を取得するには、まず各種の一種免許を取得し、それから通算して3年以上経たないと取得できない。DMVはマイクロバス規格の車両のため、自動車の免許としては中型二種でいいことになる。
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