(第50回)【2011年度新卒採用戦線総括】社員との接触によって好感し、応募する学生

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●社員・リクルーターに惹かれて応募する学生

 「リクルーター」という言葉の定義の間口は少し広い。広義には、学生と接触する社員のすべてを指し、OB/OG訪問のOB/OGもリクルーターに入る。もう少し定義を厳密にすると、人事部の採用活動を支援するために、人事部と連携してその指示の下に行動し、結果を報告する社員がリクルーターである。

 学生がリクルーターに接触する場はいろいろあり、大学では研究室訪問や説明会(夏場には短期インターンシップ)がある。年を越してから開催される企業説明会・セミナーでは、全体の司会進行を人事が行い、業務説明に社員(リクルーター)が活躍する。
【社員・リクルーターの影響(文系)】
【社員・リクルーターの影響(理系)】
 学生がそれまでに接する「大人」は、まず親や親戚だが、これは「家」の構成員だ。大学では教授、助教授と接するが、これも大学という「家」に属する。学生にとってリクルーターは初めて接する「他人の大人」。その印象は絶大だ。【社員・リクルーターの影響】の回答を見ると、文理ともに5割以上が「影響した」、そして2割程度が「非常に影響した」と答えている。

 HRプロの調査では「印象がよかった社員・リクルーターの企業名とその理由」についても質問している。フリー記述のキーワードを挙げてみると「丁寧」「優しく」「親身」「ざっくばらん」「親切」「リラックス」「熱心」「笑顔」「一生懸命」「気さく」「率直」などだ。

 別にめずらしいことではなく、接客サービスのキーワードでもある。自然体で熱心に学生に接し、優しく話してあげる。そういう人間的なコミュニケーションに学生たちは好感を抱いている。もちろんその「好感」が応募につながるのだ。

 さて今回は研究室訪問や、リクルーター制度によって学生が好感し、応募動機を形成していることについてデータから分析した。ところがこのような採用努力を行っている企業は少ない。そして努力する企業としない企業の「採活格差」が広がっている。次回はこの現状を取り上げる。
HRプロ株式会社(旧社名:採用プロドットコム)
(本社:東京千代田区、代表取締役:寺澤康介)
採用担当者、教育・研修担当者をはじめとしたHR担当者のための専門サイト「プロ.com」シリーズを運営。新卒/中途採用、教育・研修、労務、人事戦略などの業務に役立つニュース、ノウハウ、サービス情報、セミナー情報を提供している。HR担当者向けのセミナーも東京・大阪で開催している。
HRプロ株式会社

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