コーナーではレヴォーグらしくよく曲がるのだが、ドライブモードによる「キャラ変」が通常レヴォーグと比べると、豪快さの演出度合いという観点で強く感じる。
また、通常モデルよりもパワフルになったことで、セダンとハッチバックによる車体本来のリア剛性の差を明確に感じるのでないかと思う。
3台目は、WRX STI Sport R EXだ。先に乗った2台を参考として、走りの方向性が“かなり読めていた”ので、1周目でドライブモードセレクトをもっともスポーティーな「S#」にして、ハイペースでコース全域を攻めてみた。
ベースにあるのはGT-H EXと同じ“綺麗さ”なのだが、そこに“適度に楽しめる豪快さ”が顔をのぞかせる。“適度”と感じたのは、鋭意開発中の新型WRX STIとの差別化を考慮していることが間違いないからだ。つまり、STI用に“もっと上にとってある領域”があるということである。
最後に先代WRX S4 STI Sportsに乗ると、新型と比べてたしかにドライバー操作とクルマの動きにタイムラグを感じたが、これはこれで“先読みしながら操る楽しさ”であり、新型に対して“パフォーマンスが劣る”という表現は当てはまらないと思った。
「ほっこりした顔」の背景にある自信
試乗後の意見交換では、デザイナーはスバルファンの間で賛否両論ある、ボディのタイヤハウスに施したスポーツサイドガーニッシュに関する質問を想定していたようで、実際の部材をテーブルの上に置き、空気の剥離を抑制する表面処理や、フロントエアアウトレット等による走りに直結する空力効果を力説した。
また、エクステリアデザインは、2017年の東京モーターショーに出展した「VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」が「カッコいい」と評判となり、そのアグレッシブさをできるだけそのままユーザーに届けるべく作り上げたと説明された。デザイナーとして、“やれることはすべてやった”と語る。
インテリアについては、車体やパワートレイン等を共有するレヴォーグとの共通性が多い。しかし、筆者は「今、私はWRX S4に乗っている、という世界観が車内で優先して、レヴォーグに似ているといったネガティブなイメージはない」との感想を持ち、デザイナーに伝えたところ、大きく頷いていた。
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