広瀬道貞・日本民間放送連盟会長--テレビ広告が不要になることはない、テレビの存在価値は高まる

広瀬道貞・日本民間放送連盟会長--テレビ広告が不要になることはない、テレビの存在価値は高まる

急激な落ち込みの続いていたスポット(番組と番組の間に流すCM)が前年同月比で2年ぶりに増加に転じ、落ち着きを取り戻し始めたテレビ局。敵視していたインターネットでのビジネスにも取り組み始めた。「昨日の敵は今日の友」となりうるのか。広瀬道貞民放連会長に聞いた。

--スポットの減少が止まりました。デジタル化投資も峠を越えるなど、明るい話題が出てきましたね。

来年7月には長年やってきたデジタル化が完了する。大多数の家庭が大画面で高精細のテレビに切り替わるというときに、他の伝統的なメディアと同じように衰亡期に入っていてはどうしようもない。これからデジタル化を始めるとなると、10年は立ち後れることになるので、衰亡期に入るのを促進したかもしれないが、うまく間に合ったと思う。

--ネットへの警戒感も後退したのでしょうか。

テレビがネットに押さえ込まれたという実感はないが、2004~05年ごろのグーグルの大成長で、広告がネットに取られるのではないかという心配があった。

ただ、ここ1年ぐらいでネット広告の限界が見えてきた。トイレタリーのような消費者によく知られた商品、生活になじんでいる商品はネットで大きく宣伝する必要がない。インターネットはP&Gを取り込もうと何度もチャレンジしたが、取り込めなかった。時計などブランドを大事にする商品はネットに出ると、高級なイメージが損なわれる気がしているのではないか。

いちばん大きいのは、自動車。新車を出すときには、まずテレビ。それから新聞、雑誌で詳しく訴えていく。技術的な進化があって、それを目玉に売り出したいときには、計画的に大量に広告が打てるテレビ、新聞、雑誌を使う。検索を中心とした広告では、そうはいかない。ネットはネットでアキレス腱があるというのが、われわれにもわかってきた。


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