休むことに罪悪感ある人に身につけてほしい習慣 「自分さえ頑張れば何とかなる」の考えは危険

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現代は体よりも、むしろ頭だけが疲れている人のほうが多い時代です。仕事もコミュニケーションも買い物も、すべてパソコンやスマホの画面の中ででき、気分転換に観るのもテレビやパソコンの動画、それこそ運動をするのでさえ動画を観ながらですから、家から一歩も出ずに、すべてが家の中で完結してしまいます。

でも、ずっと画面を見ている生活は、当然のように眼精疲労や脳疲労を引き起こします。ハードな頭脳労働をしたうえに、オフの時間もずっと画面を見続けて、横になって体を休ませてばかりいると、どうしてもバランスが悪くなります。また、パンデミック以降、疲れをためこんでいる人たちの生活を見ていると、家の中で過ごす割合が極端に多いようです。

そこで、なにか体を動かすことで楽しそうに思えるものがあれば、まずは積極的に試してみるのをおすすめします。運動に限らず、散歩でもいいと思いますので、外の空気を吸う、空を見上げる、緑を見るなど、自然に触れることにも少し意識を向けましょう。

頭を使ったら、それと同じくらい体も使う。そうして、頭と体を一緒に休ませるのが健康にとって必要だというわけです。

ストレスホルモンが過剰に出にくくなる

運動がもたらすメリットについては、ハーバード大学の精神医学の准教授であるジョン J.レイティと、サイエンスエディターのエリック・ヘイガーマンの共著『脳を鍛えるには運動しかない!』(NHK出版)が、とても参考になります。運動と脳の関係を、ストレス、うつ、ホルモン、学習といったさまざまなテーマから丁寧に解説しています。

例えば、「運動によって体のコンディションが安定すると、ストレスを受けても急激に心拍数が上がらなくなり、ストレスホルモンが過剰に出にくくなる」といった科学的な事実が、豊富なケーススタディやエビデンスとともに紹介されています。

すでに運動習慣がある人も、この本を読むと、もっと体を動かしたい気持ちになるでしょう。よく「ダイエットのために運動をしたほうがいいですか?」と聞かれるのですが、やせるためという目的だけで運動をしても、結局は「自分はやせなければだめなんだ」と思いながら運動していることになり、さほど幸福感につながっていない場合があります。すると、ほとんどの場合で続けることができません。

それよりも、自分なりに「楽しい」「スッキリした」と感じることのほうが大切。運動がどうしても苦手なら、家事を楽しむのでも構いません。料理、靴磨き、アイロンがけ、雑巾がけ……と、手作業は結構体力を使いますし、手作業に没頭していると、脳の活動領域が切り替わって気分転換になるはずです。

また、掃除や片づけなどはそのとき目に見えて結果が出るうえに、生活環境も整えてくれるので、快適さと満足度(幸福感)がどんどん増していきます。

自分に合ったかたちで、自分なりに体を動かすという営みが、心身のコンディションを整えることにつながるのだと思います。

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