星野リゾート代表「GoTo盛り上げ過ぎぬ方がいい」 厳しい都市部ホテルはどうすれば復活できる?

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――インバウンドの回復はどのように進むと分析していますか?

入国時の隔離措置がなくならなければ、旅行はできない。期待を込めて、冬から春にかけて変わっていくと思っている。ただ、全世界からワクチンを接種した人がすぐ旅行に来ることはないだろう。

アメリカのモデルナやファイザー製、これから日本で承認されるワクチンなら接種した方の隔離免除はできると思う。しかし、日本のインバウンドは中国、台湾、韓国、香港で70%を占める。この4カ国は意外にファイザー、モデルナ以外のワクチンを使用している。それを隔離免除するのは難しいのではないか。

だから、2022年のインバウンドはそんなに期待できない。2025年の大阪万博に向けて、観光業、国全体で需要の回復に取り組んでいく。国内旅行を確保しつつ、少しずつインバウンドも戻していくことが重要になる。

コロナ禍の取り組みを閑散期対策に

――コロナ禍の早期から、地元や比較的近場を旅行する「マイクロツーリズム」の獲得を進め、実際に稼働を下支えした面もありました。

星野佳路(ほしの よしはる)/1960年生まれ。日本航空開発(オークラ ニッコー ホテルマネジメント)を経て、91年から実家の星野温泉の社長に就任。現在はグループの代表を務める(撮影:今祥雄)

QRコードを読み込み、地域限定の特設サイトで予約してもらう仕組みなど、ネット上の集客がしっかりできている。県民限定というだけでなく、地域や商圏を設定してアプローチしてきた。地域別でみると、北海道は530万と人口が多く非常に有効だった。九州も東京に匹敵する大きな市場がある。比較的感染が落ち着いていた時期も長く、効果があった。

インバウンドが強かった関西圏は特殊だ。「星のや京都」はよかったが、「OMO3京都東寺」(おも、都市観光中心のホテル)などはビジネスホテルに近い形態でダメージは大きい。観光や温泉などでバケーションを楽しめるところは向いているが、都市のビジネスホテルでの休息は難しい。そもそも大阪や京都は供給過剰の問題もある。一番苦労したのは沖縄で、那覇中心の需要を全体に広げるのは難しかった。

――宣言が解除され遠出も増えていく中で、マイクロツーリズムは続きますか?

市場は下がっていくが、オフシーズンのない観光地はない。1~2月は多くの観光地の閑散期だが、スキー場は繁忙期。スキー場は4月がオフシーズンになる。稼働を平準化するためにはマイクロツーリズムが必要だと思っている。

――国内では自粛生活の反動による「リベンジ需要」をとらえるべく、3世代での旅行などを訴求します。一方、アメリカはすでにリベンジ需要が旺盛で、国内旅行も好調のようです。ワイキキで運営する「サーフジャック ハワイ」の動向は。

アメリカ軍の軍人もハワイ州到着時に隔離が必要で、滞在先として選んでいただいた。そこで(他社は積極的でない)ペットも受け入れ、隔離中は散歩ができないのでスタッフが散歩サービスを提供した。これは稼働にすごく大きな影響があった。

今はカルフォルニアからの観光客も相当戻ってきているので、徐々に観光客の取り込みも進めているが、アメリカ軍関係者から人気のホテルになり、思った以上の業績で推移している。コロナ禍をどう生きるか、というところでサーフジャックも一生懸命やった。ハワイでのマイクロツーリズム対応は、アメリカ軍対応だったということです。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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